2020 Fiscal Year Research-status Report
構造色由来の色彩個体差の発生機構~性選択における構造色の意味を探る~
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18K06436
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Research Institution | Yamashina Institute for Ornithology |
Principal Investigator |
森本 元 公益財団法人山階鳥類研究所, 自然誌研究室, 研究員 (60468717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 始 東京大学, 総合研究博物館, 特任准教授 (40378592)
山口 典之 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (60436764)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 構造色 / 視覚信号 / 発色機構 / 羽毛 / 鳥類 / 発色 / 色彩 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物の外見は個体間相互作用の信号として機能する。特に色は個体の質を表す信号として個体間で視覚信号として働き、多くの動物種において、つがい形成や個体間競争などに用いられていることが広く知られている。中でも鳥類は鮮やかなことが特徴の生物であり、その色彩はこうした研究の対象として、また、特徴的な発色の仕組みまでもが注目を集めてきた。そして色彩研究の中でも、構造色に関する研究は、近年、盛んになりつつある研究分野といえよう。鳥類の発色は、カロテノイド色素、メラニン色素、構造色によるものが大半を占める。前者二つと比べまだ研究例が多くない構造色研究は、その仕組みと機能のさらなる研究が必要な分野である。本研究では、ユニークな鳥類型の構造色発色機構に着目した研究を進めることで、個体間の視覚信号として機能する構造色の特徴を明らかにすることを目的とする。 3年計画の3年目である本年度は、1) 野外調査を通じた構造色発色の鳥類の生態調査、2) 各鳥種の構造色の情報整理と測定、3) 特定種における羽毛の微細構造の解明に重点を置き研究を進め、4) アウトリーチといった本研究に関するその他の活動も実施した。 本来、最終年度として取りまとめの年であったが、新型コロナウイルス感染症による社会的影響に伴い、研究は大幅に遅延した。その悪影響は本年度1年間に渡り継続的に響いたが、限られた状況下で前述の各項目を実施し、論文や一般誌等への出版も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの社会的影響によって、本年度の研究は大幅に遅延した。その背景は、このウイルスの蔓延に伴う年度開始時点から続いた緊急事態宣言や外出自粛、県間移動の自粛、測定機器のある大学キャンパス等への入構制限など、かつて経験したことがない未曾有の事態が発生し、野外調査活動や分析機器を用いた分析といった研究活動の実施が困難であったためである。これに加えて、新型コロナウイルスの影響は研究以外の業務案件にも影響を与えたため、今年度の研究活動は例年に比べて物理的だけでなく時間的にも制限された。これにより、各項目の遅延が発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスによる社会的影響によって生じた研究の遅延については、研究期間を1年間延長することにより対処する。具体的には延長した1年間で、 1) 遅延した野外調査部分を補う、 2) 遅延した構造色羽毛の発色に関する測定を補う、 3) 本来の最終年度に実施ができなかった得られた結果の取りまとめ作業を重点化する、 4) 引き続き社会へのアウトリーチを重視し、一般記事や講演といった情報発信を通じて、本研究の成果についての積極的な社会還元を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延による社会状況の悪化に伴う研究環境の悪化により、本年度の研究は大幅に遅延したため、一部を年度内に実施できず予算とともに計画を次年度へ繰り越した。遅延の背景の具体的なものとしては、このウイルスの蔓延に伴う年度開始時点から続いた緊急事態宣言や外出自粛、県間移動の自粛、測定機器のある大学キャンパス等への入構制限などである。 遅延した研究事項を実施するために、研究期間を1年間(2021年度)延長した。延長期間である次年度において、前年に使用しなかった予算を次年度使用額として用いて遅延事項を実施する。実施項目は前述の別項の通りである。
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Remarks |
一般記事: 森本元(2020)羽の色の不思議. 野鳥 85: 6-17.
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Research Products
(3 results)