2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of facial reconstruction method for unknown human mongoloid skeletal remains
Project/Area Number |
18K06447
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宇都野 創 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (60367521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻田 宏一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)
石井 名実子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (10782386) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 復顔法 / 個人識別 / 法人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、”日本人の顔面部形態に特化した復顔法確立のための研究”であり、研究計画署においては、当初レントゲン写真の計測も計画したが、レントゲン写真は計測可能な部位が限定されていること、顔面の立体構造を考慮すると二次元の画像のみでは分析困難であった。三次元的な計測が必要である事が示唆された。これらを解決し、さらに復顔法を確立するためには日本人の顔貌の軟組織と硬組織の位置関係ならびに硬組織上の計測点が同時に確認可能であることが必要である。これの条件を満たす機器は、CTとMRIのみとなる。研究倫理および被験者の侵襲を考慮し、試料を東京大学および千葉大学法医学教室において撮影された死後変化の少ない死後CT画像とした。これら112検体(男性:73,女性:39)を日本人顔面形態のデータとして採取した。獲得した全CT画像をビュウワーソフト上で計測を行い、眼球の突出、鼻翼の形態、鼻唇溝の形態、およびこれまでのレントゲン画像からでは計測不可能であった部位の軟組織厚の計測を行った。眼球の突出および鼻唇溝の形態に関してはさらなるサンプル数の増加が必要であると考えられたが、鼻翼の形態においては軟組織と骨との関係において有用な相関を認めた。 眼球の突出および鼻唇溝の推定については、これまで復顔法に適用すべく報告されたものはない。鼻翼の推定に関しては、これまでは、梨状口の形態に関係なく梨状口の外側縁に定数を付加する形で行われてきたが、今回の研究によって、骨の形態に即した推定が可能になった。顔面軟組織厚に関しては、これまでレントゲン写真では、10点程の計測にとどまっていたが、CT画像の使用により20点以上の計測が可能になった。この軟組織厚は全ての計測点においてBMIによる差異が有意に認められることが明らかになった。これらを鑑みると、当該年度は多くの成果が得られたものと評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、研究成果を国際学会(International Association for Craniofacial Identification meeting)(米国、ニューオリンズ)において学会発表の予定であったが、ハリケーンのため中止、そのため国内学会(法医学会関東地方会)において発表を計画したが、こちらも台風により中止となったため。対外的な成果発表が行えていないこと(一応、国際学会はオンライン開催、地方会は誌上開催の形式をとった)、令和二年度においてもコロナウィルスの影響により法医学会(全国集会)の開催も危ぶまれる状況となっており、成果発表が出来ていないことおよびサンプル数以外の計測、解析等はおおむね順調に伸展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の目標として、統計学者フィッシャーの提唱する最低限の統計解析に必要なサンプル数は約270としているため、申請者としてはサンプル数を増加し270以上の計測を行い、改めて統計解析を行うことを計画している。令和2年度は研究の最終年度にあたるため、研究結果のンパクトファクターの高いジャーナルへの投稿、国際学会においての研究成果の発表を行いたいと考える(資金は、昨年の連続した学会中止により返金された費用は今年度に持ち越している分から充当の予定。)
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Causes of Carryover |
学会発表欄に記入した、International Association for Craniofacial Identificationが2019年米国ニューオリンズにて開催予定であったが、ハリケーンのため現地での開催が不可能となりオンラインシンポジウムに切り替えられたため。次年度に海外での開催の可能性もあったために次年度使用額が生じた。
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Research Products
(5 results)