2020 Fiscal Year Annual Research Report
Implication of diversified polyglutamine repeat polymorphisms in human evolution
Project/Area Number |
18K06452
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
嶋田 誠 藤田医科大学, 総合医科学研究所, 講師 (00528044)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ポリグルタミン / 多様性 / 反復多型 / short tandem repeat / 人類進化 / 神経変性疾患 / hapSTR / long-read sequencing |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の報告書に記したように2020年度からは人類進化の過程で、ポリグルタミン(polyQ)疾患責任座位における反復数多型の出現・維持が他のpolyQ座位と比べてどのような違いがあるのかを明らかにすることに注力した。 まず、現代人集団におけるpolyQ反復数多型のスクリーニングに先立ち、既存polyQ反復数データを調査した。1000 Genome Projectでは、short-readシークエンス技術によるデータであるため、三塩基程度の短い単位の反復配列(STR)では精度が悪いことは予想していた。ところが、Simons Genome Diversity Projectのshort-readデータにて、独自のアルゴリズムにより反復数を推定する研究があることがわかり、報告のデータを調査した。その結果、一部の染色体ではデータ公開上の不備があることが判明し、論文著者に連絡を取って修正を依頼した。その後、軽微な修正はすぐに対応されたものの、18番染色体のデータがなく17番染色体のデータが重複している点は修正対応できないまま続いている。 ところで、polyQ病責任座位については、長い反復が発症リスクであるため、臨床目的の反復数多型の型判定疫学調査の現状を調査した。その結果、世界各地の疫学調査のメタ解析が行われているものの、遺伝子検査の実施率が低く、確定診断さえ不十分な地域が多いことが分かった。本研究で計画している、世界の各大陸から集団規模で試料を取り寄せ、polyQの多型判定を行うことができれば、polyQ病発症リスクとなる層の地理的分布を疫学的に把握することで、発症予測にも貢献しうることが分かった。 以上をふまえ、国際的人類多様性DNAバンクより、アフリカ9集団、ヨーロッパ3集団、南アジア4集団、東アジア3集団、混血アメリカ4集団、計23集団より390個体のゲノム試料を調達した。
|