2018 Fiscal Year Research-status Report
小児におけるLED光暴露がホルモンリズムおよび時計遺伝子の発現に及ぼす影響
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18K06453
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 麻紀 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60351102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 寿来 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30533715)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児 / LED光暴露 / ブルーライト / メラトニン / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
光は、体温やホルモンのサーカディアンリズムに影響を与える。スマートフォンやゲームからの光受容量が、近年増加傾向にある。特に、小児においては網膜の光感受性が高いことが知られており、同じ光照度を受けた場合、睡眠障害につながるメラトニン分泌低下は小児に対する影響が強いことが示唆されている。本研究では、小児および成人を対象として、LED光に対する影響の検討、さらに網膜における光ストレス応答を検証する。 1.小児におけるメラトニン分泌量 名古屋市近郊および屋久島町に在住する小児3歳から6歳児を対象として、メラトニン濃度の測定および睡眠時間を調査した。睡眠時間は3~4歳児においては、地域による差は見られなかったが、5~6歳児においては、屋久島在住の小児が10時間5分の睡眠時間に対して、名古屋市近郊在住の小児は9時間34分の睡眠時間であり、有意な差が見られた。メラトニン測定は、検出できない割合が多かったが、5~6歳児においては、屋久島在住の小児は、名古屋市近郊在住の小児に比較し、夜20時のメラトニン濃度が高い傾向にあった。 2.成人におけるLED照明に対するメラトニン濃度および時計遺伝子発現の影響 成人男性を対象として、ブルーライトカット群とブルーライト非カット群とで比較検討した。ブルーライトカット群は、ブルーライト(460-480nmの波長)を89.4%カットする眼鏡を用いて行った。被験者は、蛍光灯およびブルーライト発生装置の前で、19時から24時まで安静状態を保った後、6時まで睡眠をとった。唾液前後のメラトニン濃度および時計遺伝子の発現量を測定した。ブルーライトカット群と非カット群ではメラトニン濃度および時計遺伝子の発現量に有意な差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小児の唾液中のメラトニン濃度が検出限界未満である検体が多いため。
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Strategy for Future Research Activity |
小児の被験者数を増やすとともに、成人被験者を対象として、異なる光環境下におけるメラトニン濃度と時計遺伝子発現量を検討する。さらに、小児睡眠患者におけるメラトニン濃度および時計遺伝子の発現量を検討する。
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Causes of Carryover |
小児での唾液量が測定試料量未満の検体があること、唾液中のメラトニン濃度が検出限界未満である検体が多いことから、小児の被験者数を増やし検討する。さらに、成人被験者を対象として、異なる光環境下におけるメラトニン濃度と時計遺伝子発現量を検討する。
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