2020 Fiscal Year Annual Research Report
The mechnisms of physiological exosome delivery to neurons
Project/Area Number |
18K06456
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
湯山 耕平 北海道大学, 先端生命科学研究院, 特任准教授 (80415546)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / エクソソーム / ミクログリア / ニューロン / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内の神経細胞やグリア細胞間では細胞外小胞エクソソーム依存性の分子輸送が行われている。この輸送は神経変性疾患の病理形成にも関与し, ミクログリア由来のエクソソームは, アルツハイマー病因子タウを含有し神経細胞へ送達することで, タウの脳内伝播を媒介することが報告されている。エクソソームの標的細胞膜へのターゲッティングは重要なステップであるが, 現在その分子機構は不明な点が多い。 本課題では,LPS処理したミクログリア細胞株(BV-2)由来のエクソソームが,神経細胞株(N2a)へのターゲティングが促進される現象を見出しており,その分子機構の解析を行った。BV-2エクソソームに発現する特定糖鎖分子種(糖鎖A)の神経細胞標的化への関与を調べた結果,糖鎖AはLPSやAbeta処理した際にBV2細胞およびラット初代ミクログリア由来エクソソームでの発現が増加することがわかった。また蛍光標識したBV-2由来エクソソームのマウス初代神経細胞への取り込みを評価したところ、糖鎖Aの特異抗体の同時添加によって取り込み量が有意に抑制されることを確認した。LPSやAbeta処理BV-2細胞由来エクソソームの取り込みも同様に糖鎖A抗体で顕著に抑制された。また糖鎖A合成酵素をsiRNAによりノックダウンしたBV-2細胞由来エクソソームは神経細胞への取り込みが抑制された。LPSやアミロイドbetaペプチド(Abeta)で刺激されたミクログリアから分泌されるエクソソームの神経細胞ターゲティングに,糖鎖Aが関与していることが示唆される。
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