2019 Fiscal Year Research-status Report
軸索伸長の駆動力を生む先導端のアクチン依存性エンドサイトーシス
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18K06459
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野住 素広 新潟大学, 医歯学系, 講師 (00420323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 泰行 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70710573)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 成長円錐 / 超解像顕微鏡 / SIM / アクチン / エンドサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
成長円錐はガイド分子に従って経路選択を行い、軸索を先導してシナプスを形成するため、神経回路形成と軸索再生に重要である。成長円錐の先導端は伸長方向に対して、最前線に相当する領域であることから、ガイド分子を効率的に受容する仕組みが存在すると考えられる。 先導端近傍にはアクチン細胞骨格が局在し、重合端を先導端に向けて配置している。先導端の形質膜直下でアクチン重合が促進されることで、形質膜が押され、成長円錐の推進力が生じると考えられている。構造化照明法による超解像顕微鏡 (SIM)を使った成長円錐の観察で、我々はF-アクチンが先導端に向かって伸長するとき、同時に形質膜取込みが生じることを明らかにした(Cell Rep, 2017)。 成長円錐におけるF-アクチンの3次元分布を3D-SIMで可視化した結果、大部分のF-アクチンが非接着面の形質膜に沿って山型に分布していることが分かった。一部のF-アクチンは成長円錐表面から突出してフィロポディアを形成した。この非接着性フィロポディアは1分前後で突出と退縮を繰り返し、フィロポディアの表面には軸索ガイダンス受容体のニューロピリン1が脂質ラフトに依存して集合した。成長円錐表面から突き出たフィロポディア内には、BARドメインタンパク質のエンドフィリン、ダイナミン、シナプス小胞タンパク質のシナプトフィジンの集積が見られた。フィロポディア消失と共にエンドサイトーシスが誘導され、形質膜からニューロピリン1受容体の回収が行われるのではないかと考えている。本研究によって、成長円錐表面で頻繁にフィロポディア形成と消失を繰り返すことで積極的にガイド分子を捕捉する仕組みの存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超解像顕微鏡による成長円錐構造の3次元解析により、これまで見逃されていた成長円錐表面のフィロポディアとガイダンス受容体集合の関係が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
成長円錐表面のフィロポディアによるガイド分子の捕捉過程をライブイメージングで撮影し、関係する分子の同定を進める。実際の軸索ガイダンスにこの機構が機能することを明らかにする。
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Research Products
(2 results)