2019 Fiscal Year Research-status Report
MECP2を起点とした精神神経疾患の共通分子病態の解明
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18K06484
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻村 啓太 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (60588474)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / RNAシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
レット症候群モデルマウス脳の特定領域における転写レベルの網羅的遺伝子発現プロファイルを解析する実験・解析体制の構築を完了することができた。野生型およびレット症候群モデルマウスの成体マウスから特定脳領域を急性で摘出することができる手技を習得し、かつ実験機器等の設備を整備した。野生型およびレット症候群モデルマウスの成体マウスから興味の特定脳領域を急性で摘出し、RNAを抽出後、バイオアナライザーによりRNAのクオリティーを確認し、RNAシークエンスを行った。得られたRNAシークエンスデータの解析を行い、特定脳領域の遺伝子発現プロファイリングを解析した。その結果、レット症候群モデルマウスの特定脳領域において、特異的に発現量が変化している遺伝子を複数同定することができた。特定領域の機能に関与する遺伝子の発現変化も認められた。ただし、先行研究においてレット症候群モデルマウス脳においては転写レベルのグローバルな発現変化はみられないことが報告されており、その報告と一致して、グローバルな劇的な転写レベルの遺伝子発現変化は検出されたなかった。RNAシークエンスの実験・解析体制が構築できたため、今後は翻訳レベルの遺伝子発現変化の解析を進めていく。解析に必要なマウス系統の入手は一部完了しており、適宜交配を進めている。今後も必要なドライバーマウス系統の取得を進めていき、必要なマウスが得られ次第随時、転写レベルと翻訳レベルの解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNAシークエンスによる転写レベルの網羅的遺伝子発現変化の実験・解析体制を構築することができたため。また、課題の目標を達成するためのマウス系統の入手および交配が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は興味の脳領域・細胞かつ時期における解析に必要な系統を適宜入手していく。交配により必要なマウスが得られ次第、興味の脳領域において翻訳レベルの解析を遂行していく。
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