2020 Fiscal Year Annual Research Report
Ultrastructural analysis of synapse stability
Project/Area Number |
18K06499
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岩崎 広英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30342752)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シナプス / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 / スパイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではシナプスが安定して維持されるためのメカニズムの解明を目的としている。前年度までには、安定的に維持されるスパインと新たに産生されるスパインとではどのような違いがあるかについて特に、安定なスパインと新生スパインの形態学的な違いに関する解析を行った。その結果、安定スパインと新生スパインにおいては、スパインネックの長さはほとんど変わらないが、スパインヘッドの大きさが安定スパインでは大きく、形状も複雑化することを見出した。 本年度はさらに研究を発展させ、中枢神経系におけるシナプスの安定化機構の分子メカニズムの解明を目指し、特にシナプス誘導に関わる膜分子であるテニューリン2に注目した。テニューリン1は様々な種において広く保存されている膜タンパク質であり、哺乳類では4種類のタイプがある。このうちテニューリン2については、これまでの研究からシナプス形成や神経発生過程において重要な役割を担うことが知られている。そこでテニューリン2のシナプス形成における役割について解析することを目的としてその配列を検討したところ、細胞外ドメインにEB1結合領域を見出した。EB1は微小管と相互作用することから、この領域がシナプス形成に及ぼす影響について解析するため、テニューリン2のEB1結合領域を単独で過剰発現させたところ、ドミナントネガティブ効果により抑制性シナプスの形成が阻害されることが明らかとなった。このことから、テニューリン2が微小管依存的に抑制性シナプスを誘導することを見出した。
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