2019 Fiscal Year Research-status Report
大脳皮質における細胞タイプ特異的な機能的微小カラムの発生機構
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18K06512
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸岡 久人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60443032)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 微小カラム / 大脳発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳皮質は機能に対応した秩序構造を有することが最近明らかになってきた。研究代表者らは大脳皮質の出力層である第5層において主要なニューロンが様々な皮質領野で細胞タイプ特異的に細胞クラスター(以下、微小カラム)を形成しており、さらにそれらが脳表に平行な面上において六方格子状に精密に配列していることを見出した。また生理学的解析からこの微小カラムは覚醒マウスにおいて機能単位として動作していること、および微小カラム特異的な回路構造をもつことも明らかにし、大脳皮質第5層が機能的微小カラムとその格子構造に高度に組織化されていることを見出した。それを受けて本研究はこの機能的微小カラムとその格子構造の発生機構を明らかにすることにより、大脳皮質の普遍的な構築原理の深い理解に貢献することを目的とする。 今年度は前年度からに引き続き、(1) 大脳発生期において興奮性ニューロンが細胞タイプ特異的に特定のradial fiberに接着するかを問うための定量的解析を行い、特定の細胞タイプの興奮性ニューロンが近傍に局在しないradial fiberが存在することを見出した。また(2) 前年度に見出した大脳発生期に第5層の特定のニューロンに発現している分子について、その強制発現をおこなった結果、微小カラムの形成異常が観察された。この結果は当該分子が微小カラム形成に深く関与していることを示唆する。以上の結果から大脳発生における興奮性ニューロンの細胞移動に関して、これまで報告されていなかった細胞タイプ特異性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、(1)大脳発生期において特定の細胞タイプの興奮性ニューロンが近傍に局在しないradial fiberが存在することを見出すことができ、本研究目的を一部達成できた。また分子生物学的手法により、上記(1)の細胞タイプ特異性を担う分子を見出しつつある。以上からおおむね順調に研究が進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究実績概要の(2)について、引き続き分子生物学的手法を用いた検討により微小カラムの発生機構に迫る。また研究目的3の問いである「放射状グリア細胞にサブタイプが存在するか?」について、解を与える端緒となるデータを得つつあるため、それらデータに対する解析を進める予定である。
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