2020 Fiscal Year Annual Research Report
Central mechanisms of sodium sensing for water-intake control
Project/Area Number |
18K06534
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
作田 拓 基礎生物学研究所, 多様性生物学研究室, 助教 (40343743)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 体液恒常性 / 飲水行動制御 / Na+濃度センサー / Nax / SLC9A4 |
Outline of Annual Research Achievements |
血液脳関門を欠いた感覚性脳室周囲器官(sCVOs)は、体液のNa+濃度や浸透圧のセンサーをはじめ、体液成分のモニタリングに関わる分子が特異的に発現し、生命維持に不可欠である体液恒常性維持の根幹を担っていると考えられている。最近研究代表者らは、sCVOsのグリア細胞おいて発現するNaチャンネル分子Naxが、水分摂取行動制御を担うNa+濃度センサーであることを明らかにした。さらに飲水行動全体を説明するには、Naxばかりではなく未知のNa+濃度センサーからのシグナルも必要であることが新たに判明した。本研究は、この未知のNa+濃度センサー分子の実体を明らかにすることを目的としている。 これまでに有力な候補分子としてNa+/H+交換輸送体ファミリーのメンバーであるSLC9A4を見出していたが、本年度はSLC9A4の生体内での役割やNaxとの関係を明らかにすることを試みた。その結果、OVLTに発現するSLC9A4が水分摂取行動制御に関わるNa+濃度センサーとして機能しており、そのシグナル経路は以前報告したNax /TRPV4経路とは独立したものであることが明らかとなった。またSLC9A4陽性神経細胞が、ASIC1a を介したpH依存的メカニズムによって活性化されることが示唆された。SLC9A4の発現抑制したNaxノックアウトマウスでは、Na+濃度上昇による水分摂取行動が完全に失われていることから、Na+濃度上昇による水分摂取行動は、SLC9A4/ASIC1a経路とNax /TRPV4経路の2つのシグナル経路で説明できる。さらに、SLC9A4の発現抑制したNaxノックアウトマウスでも、浸透圧上昇によって野生型マウスと同様に水分摂取行動が引き起こされることから、これらの2つの経路とは独立して浸透圧センサーからのシグナル経路が存在していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)