2020 Fiscal Year Research-status Report
低コントラスト刺激の視覚弁別を可能にする神経回路の解明
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18K06537
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
木村 梨絵 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 特任助教 (60513455)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経生理 / 神経回路 / 視覚野 / 行動 / マルチユニット記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象物の明るさとその背景との明るさの対比であるコントラストが高い時と低い時とで、入力量が異なるのにも関わらず、同様の知覚・認知に至るには、低コントラストの時には、高コントラストの時とは異なる機能的神経回路を柔軟に駆動していることが推察される。そこで、本研究では、低コントラスト刺激の視覚弁別を可能にする神経回路の解明を目指している。 これまでに、細胞集団としての縦縞・横縞の情報表現に、低コントラスト優位な細胞が重要であることがわかった。さらに、局所電場電位(LFP)の解析を行った結果、高コントラスト刺激の提示時には、抑制性の影響力の増大が示唆され、低コントラスト優位な細胞の生成につながると考えられた。 令和2年度では、学習前からAnticipatory Signalは一次視覚野で観察されるが、学習後に低コントラストの視覚弁別をする時には、さらに一次視覚野と高次の脳領野の間で双方向に影響するような協調的神経活動が観察されるようになることを確認した。また、昨年度に引き続き、視知覚から運動出力にいたる中間地点に位置してトップダウンのソースになりうる脳領野として解剖学的に同定された、Anterior cingulate cortex (ACC)の神経活動を記録した。今後、この解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ACCの神経活動の記録データを多く集めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
記録したACCの神経活動のデータの解析をして、低コントラストの視覚弁別を可能にする多脳領野間の連携についての論文を書き上げる。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、これまでの研究と継続した実験を行ったため、新たな実験機械を購入する必要がなく、当初予定していたよりも研究経費がかからなかった。令和3年度は、所属研究機関を異動したため、新たに実験機械を購入する必要がある。
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