2018 Fiscal Year Research-status Report
Reelinによるゴルジ体構造制御が脳神経系の動的恒常性維持に果たす役割
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18K06543
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
松木 亨 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, 主任研究員 (90332329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 敦雄 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, 部長 (50227964)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経細胞移動 / ゴルジ体 / Rho-GTPase / PKC |
Outline of Annual Research Achievements |
Reelinシグナル関連分子である、Stk25シグナルはRho-GTPaseファミリーを活性化するGEFと複合体を形成する事で神経細胞移動を制御している事を明らかにした。この時、Stk25は同時に別のRho-GTPaseファミリー分子をプロテアソーム経路による積極的な分解に寄与しており、これらが同時に進行することにより、神経細胞移動が制御されている事を明らかにした。特にグリア繊維に結合して進む神経細胞移動に重要である事が示唆されている。現在、本成果を報告するために投稿準備中である。本研究成果の新規性として、Stk25の上記の役割をMST3が代償する機構が神経系に存在する事を明らかにしている。MST3はStk25の殆どの役割を代償できると思われるが、RhoAの分解系に関してはプロテアソーム経路ではなく、ライソゾーム経路をとるなどの違いも見られる。このことは、RhoAの不安定化に対して完全に同一経路をとらない事で、バックアップ機能を果たしており、Stk25がより重要である事を示唆している。 一方、Reelinシグナルによって活性化されるPKCeの阻害剤存在下でのbrain explant cultureの結果、PKCeが確かにゴルジ体構造の制御、特に発達過程の神経細胞に特徴的な長く伸長したゴルジ体に加えて神経細胞の停止機構にもPKCeが重要な役割を果たしている可能性が示唆された。現在、実験計画に基づいてGM130のノックインマウス作成に入っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの実験に関してはおおむね順調である。GM130のノックインマウスに関してはCrispr/Cas9を使用したシステムで作成する予定であるが、本年度前半には作成開始ができると思われる。このノックインマウス作成が予定通りできるかどうかで、研究計画が予定通り進むかどうかが決定すると思われる。一方で、explant cultureは予想以上に有効な解析手法である事が分かったため、引き続き従来の手法に加えて研究を推進していく。
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Strategy for Future Research Activity |
PKCeによるGM130のリン酸化部位特異的抗体の作製を行う。既に二箇所の内一箇所については抗体が出来ているが、他のリン酸化部位に対する抗体を作製する必要があるため、今年度前半中に作製を完了させる。これらの抗体と得られる予定である、GM130ノックインマウスを用いてゴルジ体の構造変化がマウス神経系の恒常性に果たす役割を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
所属機関の建屋の建設と引越しがあった為、当初の使用計画で計上した助成金を使用できなかったため。本年度は、研究計画を推進するために翌年度分で請求した助成金を使用し、計画に遅延が大幅に出ないように研究を推進する。
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Research Products
(2 results)