2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of regioselective sp3 C-H functionalization catalyst with substrate recognition site
Project/Area Number |
18K06545
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生長 幸之助 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (00583999)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 有機合成化学 / C-H活性化 / 有機ラジカル / フォトレドックス触媒 / 水素原子移動触媒 / 結合弱化触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに開発された、ホウ素/ケイ素結合弱化触媒の協働アルコール認識を介したC(sp3)-H変換法の知見をもとに、下記3つの展開に着手した。1)光学活性ホウ素結合弱化触媒を用いる不斉C(sp3)-Hアルキル化 2)ケイ素結合弱化触媒の構造展開による性能向上 3)さらに強力な結合弱化能を有する新規触媒探索 1)PC-HAT触媒系が促進するアルコールα位C-Hアルキル化反応において、結合弱化触媒として同定された電子不足ボリン酸触媒のアミノアルコール部位をキラルにした触媒を製造し、不斉触媒化が可能であるか検討を行った。しかし、得られた生成物においてこれまで不斉発現は観測されていない。ボリン酸骨格側にキラリティを導入する設計も考案したが、ボリン酸の合成が難しいことが問題であり、現在は別種のホウ素骨格を不斉化を見据えて検討している。 2)Martinスピロシラン結合弱化触媒の性能を向上させるべく、構造展開を計画した。既知合成法は強力な条件(ブチルリチウムなど)の使用を要請するため、自由な官能基化・構造展開が困難である。そこで改良合成法の研究を行った。よりマイルドなアート錯体型塩基やクロスカップリング法などで芳香環へのケイ素導入を試みたが、現在までに効率良く合成できる経路の同定には至っていない。 3)これまで開発した結合弱化触媒はモノアニオン種の形成が原理となっている。より化学選択性を向上させ、反応条件を温和にするべく、ジアニオン型結合弱化触媒の開発を計画した。DFT計算による予測から、ホウ素・ケイ素よりも原子半径の大きな元素種においてさらに大きな結合弱化を引き起こせる可能性が示唆された。デザインした触媒を実際に合成し、概念実証を行なうべく研究を進めている。
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Research Products
(9 results)