2021 Fiscal Year Annual Research Report
Organic chemistry using acetal-type salt species
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18K06576
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 弘道 大阪大学, 産業科学研究所, 特任教授 (10173410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50324851)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 塩化学種 / ホスホニウム塩 / in situ protection法 / アンフィジノリドC / 不斉ジヒドロキシ化 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンフィジノリド類は一連の25員環マクロリド群である。これまでにアンフィジノリドA-H, J-S, T1, U-Y, G2, G3, H2-H5などが知られているが、特にアンフィジノリドCはKB細胞、L1210細胞に対し強力な阻害活性を示す興味深い化合物である。 アンフィジノリドC合成のために、まずC1~C9、C10~C17、C18~C34の3つのフラグメントを合成した。このうちC1~C9フラグメントには(4S)-4-メチル-3,6-トランスジ置換THF環が、またC18~C34フラグメントには20,23-トランスジ置換THF環が含まれる。これらの光学活性なTHF環はいずれも申請者が本研究で開発したホスホニウム塩中間体を経るin situ protection法を用いて簡便に合成できた。すなわち、(4S)-4-メチル-3,6-トランスジ置換THF環は、α,β‐不飽和エステルとα,β‐不飽和ワインレブアミドを同一分子内に持つ基質を用いて、また20,23-トランスジ置換THF環の場合はα,β‐不飽和エステルとα,β‐不飽和アルデヒドを持つ基質を用い、いずれもEt3PとTMSOTfで処理して、前者ではより高反応性のα,β‐不飽和エステルを、また後者ではより高反応性のα,β‐不飽和アルデヒドをホスホニウム塩として保護しておいて、市販のAD-mixβ 酸化により二重結合を不斉ジヒドロキシ化、次いでα,β‐不飽和エステルまたはα,β‐不飽和アルデヒドを再生すると同時にOxy-Michael付加が進行し一気に光学活性なTHF環構造が合成できた。さらに不斉エポキシ化等も利用して、光学活性なC10~C17フラグメントも合成した。最後に、これらのフラグメントをカップリング反応や、スルホンを用いるアルドール型反応、マクロラクトン化反応等により縮合し、アンフィジノリドCを合成した。
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