2018 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of Heterocycles by Utilizing Characteristic Features of N-N bond
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18K06590
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上田 昌史 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00340935)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カルバモイル化 / ラジカル反応 / クロロホルム / インドール |
Outline of Annual Research Achievements |
アミドは、天然物をはじめ多くの生物活性化合物に含まれる重要な部分構造の一つである。そのため、アミド構築法は有機合成化学において重要な反応である。そこで、芳香族アミド類の新たな構築法の開発を目的として、最近我々が開発したクロロホルムをホスゲン等価体とするアシル化を利用したアミン類と芳香族化合物とのアミノカルボニル化反応を検討した。 テトラヒドロキノリンおよび1-メチルインドールを空気存在下、クロロホルム中、ジメチル亜鉛を用いたアミノカルボニル化反応を検討した。本反応では、まずテトラヒドロキノリンが、系中で生成するホスゲンによってアシル化され、カルバモイルクロリドが生成する。続いて、1-メチルインドールとの分子間Friedel-Crafts型カルバモイル化反応が、インドール環の3位に位置選択的に進行し、インドールカルバモイル化体が高収率で得られた。次に、本反応の基質適用範囲について検討するため、種々のアミン類およびインドール類またはピロール類を用いてFriedel-Crafts型カルバモイル化反応を行ったところ、すべての場合において目的のカルバモイル化体が得られ、本反応が基質一般性に優れていることが明らかとなった。 さらに、本手法を天然物および生物活性化合物合成に応用するため、ピペラジン類とインドール類を用いたカルバモイル化反応を検討した。その結果、ピペラジン類も本反応に適応可能であることが明らかとなった。また、本反応の応用として、1-(2-メトキシフェニル)ピペラジンおよび1-メチルインドールを用いた分子間アミノカルボニル化反応により、ヒトメラノーマ細胞株A375への細胞毒性を有するインドールアルカロイドを1工程22%の収率で得ることに成功した。また、ドパミンD4受容体アゴニスト活性を有する化合物やp38αMAPキナーゼ阻害活性を有する化合物の合成にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
含窒素ヘテロ環を合成する目的で研究を行ってきたが、本年度は基礎段階の研究を重点的に行ってきたため、含窒素ヘテロ環の分子変換にとどまってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、来年度以降は含窒素ヘテロ環の新規構築法の確立を目指す。まずは、単環性ヘテロ環であるピロール類やピラゾール類の新規合成法を開発する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:初年度であるため、節約しながら研究を進めた結果、次年度使用額が生じた。 使用計画:主に、試薬や溶媒の購入に利用する予定である。また、成果発表のための旅費としても利用する。
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