2020 Fiscal Year Annual Research Report
Design of drug amorphous nanosuspension to achieve a pharmaceutical formulation of poorly water-soluble drug
Project/Area Number |
18K06592
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
東 顕二郎 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (40451760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 圭祐 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (40755972)
森部 久仁一 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (50266350)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 非晶質ナノ粒子 / Cryo-TEM / 非晶質固体分散体 / 難水溶性薬物 / 界面活性剤 / 安定化 / 固体NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、顕微鏡法及び分光法の応用測定を用いて、非晶質ナノ粒子の構造・分子状態を精密に評価すること目的としている。本年度は、薬物/水溶性ポリマー/陰イオン性界面活性剤の三成分非晶質固体分散体(ASD)を水に分散させた際に形成される非晶質ナノ粒子の構造をcryo-TEMにより評価し、その形成メカニズムについて検討を行った。 モデル薬物としてprobucol(PBC), 添加剤として水溶性ポリマー hypromellose(HPMC)及び陰イオン性界面活性剤のsodium dodecyl sulfate(SDS)を用いた。異なる質量比のPBC / HPMC / SDS三成分ASDを噴霧乾燥法により調製し、これを水溶液に分散させることで得られた非晶質ナノ懸濁液についてcryo-TEM測定を行った。その結果、ASD中のHPMCとSDSの質量比の違いにより、得られた非晶質ナノ粒子の形態及びサイズが有意に異なることが明らかとなった。さらに、固体NMR及び粉末X線回折測定等の結果より、ASD中のPBC、HPMCおよびSDSの分子状態が非晶質ナノ粒子形成に大きく影響することが示された。薬物とHPMCとの混和性がASD中の薬物-richドメインのサイズに影響するため、HPMCは主に非晶質薬物ナノ粒子の一次サイズに影響を与える。一方、SDSは水に分散中あるいは分散後の粒子凝集を強く抑制することが示された。 本研究により、ASDからの非晶質ナノ粒子形成メカニズムの考察が可能となり、特に三成分ASDにおけるポリマーと界面活性剤が水分散後に得られる非晶質ナノ粒子の形態・サイズに与える影響を詳細に明らかとした。ASD分散直後の凝集プロセスを観察した例はこれまでになく、本研究で得られた知見は薬物溶解性及び吸収性を改善する三成分ASDの処方設計に有用な知見を与えるものである。
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Research Products
(5 results)