2023 Fiscal Year Annual Research Report
Design of nanoparticle as orally nucleic acid medicine delivery for treatment of inflammatory bowel disease
Project/Area Number |
18K06611
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 浩充 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (30275094)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 高分子ナノ粒子 / 高分子ミセル / デコイ核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸粘膜に炎症が起こり、潰瘍ができる病気である潰瘍性大腸炎は、自己免疫異常が発症原因の一つとされ、下痢などの症状を伴うため、患者の生活の質を著しく低下させる。 潰瘍性大腸炎の治療は、寛解と活動を繰り返すため、従来の薬物治療法では完全な治癒は難しいとされている。本研究では、根本的な潰瘍性大腸炎の治療を可能にする「経口投与型ナノ粒子DDS製剤」の開発を目的として実施した。 昨年度までに課題となっていた、細胞が産生する炎症性サイトカイン発現に対して、デコイ核酸(DN)封入ナノ粒子を取り込ませた際の抑制効果についてバラツキが大きくなる現象が発生する件については、炎症を惹起するために用いたリポポリサッカライド(LPS)を作用させてからサイトカイン産生量を定量するまでの評価時間が関係していることが明らかになった。これまで、サンプル採取の時間を24時間インキュベートしてからと設定していたが、LPS刺激に対してサイトカイン産生量が増加する期間はそれよりも短時間で起こり、従来のサンプリング時間までに産生されたサイトカイン量が低下する群が一部存在した。このため、サイトカイン産生抑制能が無い製剤投与群との間で有意な差が認められない状態となっていた。4時間のサンプリング時間で測定することにより、デコイ核酸を封入したナノ粒子投与群において、サイトカイン産生の抑制効果を確認することができた。 本研究では、評価上の問題点を明らかにするところまでで研究期間、予算を費やしてしまい、最終的な目的まで達成することが出来なかった。 今後、更に研究を進め、目標とする潰瘍性大腸炎の治癒を可能にする製剤設計を実現したいと考えている。
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