2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel free energy change prediction method independent of entropy change
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18K06615
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
川下 理日人 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00423111)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フラグメント分子軌道法 / 活性予測 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フラグメント分子軌道法で得られるフラグメント間相互作用エネルギーと、エントロピー-エンタルピー補償則を利用して、エントロピー変化を用いることなく阻害剤と蛋白質間の自由エネルギーを予測する手法の開発である。しかしながら、フラグメント分子軌道法は、構造のわずかなずれに伴い、静電相互作用などの相互作用エネルギーが大きく変化する。よって、X線結晶構造などの静的な構造を用いた際は、側鎖の配座や水素原子の向きなどにより、計算値と実験値との相関に大きく影響することがわかっている。そこで、本年度は機械学習によるMAPK14阻害剤複合体の相互作用エネルギー成分分割解析値から阻害活性値IC50の予測モデル構築を行った。 フラグメント分子軌道法を用いた計算結果のデータベース(FMODB)からMAPK14阻害剤複合体の相互作用エネルギー成分分割解析(PIEDA)の値(分散相互作用エネルギー, 静電相互作用エネルギー, 電荷移動相互作用エネルギー, 交換反発相互作用エネルギー)、およびMAPK14に対する阻害活性値IC50をPDBから取得した。PIEDAの値を説明変数、pIC50を目的変数として、いくつかの機械学習モデルを用いて阻害活性値の予測モデルを構築した。その結果、XGBoostを用いた際に、訓練データでR2 = 0.87、RMSE = 0.35、検証データでR2 = 0.84、RMSE = 0.35という良好な予測を示した。さらに、テストデータに対しても、R2 = 0.85、RMSE = 0.39と良好な予測を示した。予測モデルで特徴量の重要度を算出した結果、予測において重要な特徴量は分散相互作用エネルギーであった。よって、本系ではこれらの残基の分散相互作用エネルギーを最適化することにより、活性予測に適用できるのではないかと考えている。
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Research Products
(11 results)