2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト免疫不全ウィルスの膜融合に関わるSMS2のヘテロオリゴマー解析
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18K06635
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
林 康広 帝京大学, 薬学部, 助教 (70582857)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スフィンゴミエリン合成酵素 / ヘテロ複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、脂質代謝酵素であるスフィンゴミエリン合成酵素2 (SMS2)がヒト免疫不全ウィルス (HIV) と宿主細胞の膜融合を促進することを明らかにした (Hayashi et al., J. Biol. Chem., 2014)。SMS2 は形質膜上の情報伝達分子が集積するマイクロドメインに局在することから、シグナル伝達を担う様々なタンパク質と相互作用(ヘテロオリゴマーを形成)し、HIV感染に関与することが考えられる。2018年度は、解析の過程で、SMS2のアイソフォームタンパク質であるSMS1とグルコシルセラミド合成酵素(GCS) が近接することを見い出し、SMS1とGCSのヘテロ複合体はSM産生を正に制御することを明らかにした(Hayashi et al., J. Biol. Chem., 2018)。 2019年度は、近位依存性ビオチン標識法を用いて、SMSの近接タンパク質を同定した。今後は、同定した近接タンパク質の中からSMS活性・局在に影響するタンパク質を探索し、SMS2のHIV感染の制御機構を明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、近位依存性ビオチン標識法を用いてSMS近接タンパク質を同定した。 上記進捗状況より、「概ね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
SMS近接タンパク質の中からSM産生に関わるタンパク質を探索する。CRSIPR/Cas9 ゲノム編集を用いて遺伝子をノックアウトする。安定同位体標識したsphinganine と serine を用いて、SM 合成に関わるリサイクリング経路と de novo 合成経路の代謝ラベル実験を行い、脂肪酸分子種ごとのSM 量を LC-MS/MS を用いて定量する。
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Causes of Carryover |
2020年度の研究費の使用に充てるため、2019年度は余裕を持って研究費を使用としたため。
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Research Products
(6 results)