2019 Fiscal Year Research-status Report
ヘテロローガス・プライムブースト免疫法を用いた新規ワクチンプラットフォームの開発
Project/Area Number |
18K06655
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊従 光洋 金沢大学, 薬学系, 准教授 (20608351)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | マラリア / ワクチン / バキュロウイルス / アデノウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
(A)マウスモデルによるワクチン効果の評価:PfCSPを発現するアデノウイルス(Ad)とバキュロウイルス(BV)のそれぞれのワクチンベクターを用いて交互に筋肉内接種を行った後、PfCSP発現型組換えネズミマラリア原虫のスポロゾイトをチャレンジ感染させた。初回にAd、2回目にBVを接種した際に防御効果が最も高く約80%のマウスがマラリア未感染であった。日免疫群ならびに逆順に接種した場合、また、同一のベクターを2回接種した場合のいずれにおいても、感染防御効果は20%以下であり、異種のウイルスベクターの接種において順番が有効性に重要であることが分かった。一方、細胞性免疫応答をELISpot法ならびにICS法で確認したところ、Adを2回接種した群で最も高く、上記の高い感染防御効果を示した組合せではマラリア特異的なT細胞応答は弱かった。今後、液性免疫応答の詳細な解析結果と合わせて考察していく。(B)ワクチンが誘導する免疫応答解析:バキュロウイルスを接種したマウスの肝臓細胞における遺伝子発現についてDNAマイクロアレイ解析を進めたところ、インターフェロン依存性ならびに非依存性の約40種の遺伝子が肝臓におけるスポロゾイト感染防御に関与している可能性が考えられた。 (C)製造プロセスの検討と品質管理:品質管理の条件検討 するために必要な長期間保存用のバキュロウイルスサンプルについて定期的に力価の測定を行なっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同一の遺伝子を発現するウイルスベクターにも関わらず、動物への接種順序が異なるだけでマラリア感染防御効果に大きな違いが出ることは発見であり、打ち方によって結果が異なるであろうと考えた当初の予想通りの研究展開となっている。自然免疫応答の解析についても、感染防御に関与しているであろう遺伝子が新たに見出されており、今後の研究の基盤となりうるデータが蓄積されてきている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ワクチンの感染防御効果の評価については繰り返しチャレンジ感染試験を行い、再現性を確認する。また、ワクチン接種後の液性免疫応答について長期間にわたって評価を継続する予定である。自然免疫応答の解析については同定された候補遺伝子について詳細な調査を継続する。
|
Causes of Carryover |
ワクチンの作製状況により年度をまたぐタイミングで動物実験のための消耗品(実験動物・実験器具)が必要となったため。当初予定していた動物実験を次年度に行う。使用目的に変更はない。
|
-
[Journal Article] A Viral-Vectored Multi-Stage Malaria Vaccine Regimen With Protective and Transmission-Blocking Efficacies2019
Author(s)
Yusuf Y, Yoshii T, Iyori M, Mizukami H, Fukumoto S, Yamamoto DS, Emran TB, Amelia F, Islam A, Syafira I, Yoshida S.
-
Journal Title
Front Immunol
Volume: 10
Pages: 2412
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-