2020 Fiscal Year Annual Research Report
Pathophysiological analysis of a mitochondrial protein MAIP1 in NASH/NAFLD.
Project/Area Number |
18K06656
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 英子 (小河英子) 大阪大学, 薬学研究科, 特任研究員 (60359859)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 脂質 / 酸化ストレス / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続きMaip1ノックアウトマウスの解析を行なった。昨年度に続いて交配実験を行なったところ、ヘテロマウスの交配により得られる産仔はメンデル則に従うことが確認された。これまでにヒトMAIP1の発現低下がミトコンドリア機能障害を誘導することを細胞レベルで明らかとしてきたが、ミトコンドリア機能に関わる遺伝子異常が精子機能の低下を招くことが知られるため、生殖能への影響が懸念された。このため交配実験をさらに進めたところ、ノックアウトマウスは雌雄ともに妊孕性が保持されることが確認された。Maip1ノックアウトマウスの樹立は本研究が世界で最初であり、その表現系の詳細な解析はMaip1の機能の理解および脂質代謝とエネルギー産生制御機構の理解に貢献することが期待される。 研究期間を通じて本検討では、MAIP1の発現低下が脂質蓄積だけではなくミトコンドリア機能の低下および酸化ストレスの発生を誘導することを細胞レベルで明らかとした。さらに、その原因として電子伝達系機能の阻害があることを示した。これにより、NAHS/NAFLD病態に対して、ミトコンドリア機能の抑制と酸化ストレスを介してMAIP1が寄与する可能性を示した。また、当初の計画での個体肝臓におけるノックダウンの代わりに、ノックアウトマウスの作成に成功した。今後は全身ノックアウトを用いて全身の脂質代謝に関する検討を行い、さらに、同時に樹立したコンディショナルノックアウトマウスを用いることにより、成体になったのちに肝臓特異的Creリコンビナーゼを作用させNASH/NAFLD病態への関与について検討を進める。
|
Research Products
(1 results)