2019 Fiscal Year Research-status Report
The mechanism of autoimmune disease pathogenesis mediated by SPA-1 expressing cells
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18K06665
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 浄 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任准教授 (00433714)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / NKT細胞 / 辺縁帯B細胞 / SPA-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫疾患は免疫寛容の破綻により引き起こされる疾患の総称であり、発症の原因が未だ不明なものが多く難治指定されている疾患も多い。これまでに、Small Gタンパクの1つであるRap1の活性制御に関わるSPA-1遺伝子を欠損するマウス(SPA-1 KOマウス)が自己免疫疾患を発症することを明らかにしてきた。 本研究では、SPA-1を高発現するNKT細胞とMZ-B細胞の割合の変化が自己免疫疾患を引き起こすかどうかについて検討を進め、NKT/MZ-B細胞バランスの変化が自己抗体価の上昇と関連することを明らかにしてきた。また、胸腺および脾臓中のNKT細胞におけるSPA-1発現について、SPA-1レポーターマウスを用い各ステージのNKT細胞におけるGFP発現についてフローサイトメーターにて解析を行ったところ、NKT1細胞での発現がNKT2およびNKT17細胞よりも高いことが明らかとなり、ステージ1においてもNKT1細胞へと分化する細胞集団においてより高い発現が見られた。さらにSPA-1KOマウスにおけるNKT細胞サブセットの割合について検討を行ったところ、野生型マウスと比較して、KOマウスにおけるNKT1細胞の割合が減少していることを明らかにした。 今後、NKT/MZ-B細胞バランスを制御する因子の同定に向け、NKT細胞およびMZ-B細胞の分化ステージにおける分化誘導因子をピックアップし、両細胞でその発現が上昇するもしくは減少する因子を同定していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「本研究の目的」に記載した計画は、おおむね順調に結果を得ている。他の研究機関との連携により、遺伝子改変マウスの解析が進み、今後NKT/MZ-B細胞バランスを制御する因子の同定に向け、より詳細な解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を踏まえ、他の研究機関との連携によるSPA-1 KOマウスおよびSPA-1レポーターマウスを用いた解析をさらに積極的に進めることで、NKT/MZ-B細胞バランスを制御する因子の同定に向けた検討を進める。また研究者とのディスカッションを積極的に行い、NKT細胞やMZ-B細胞の分化誘導因子の解析方法について、新たな方法を開発していく。
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Causes of Carryover |
交付申請書の「本研究の目的」に記載した計画は、おおむね順調に進んでいるが、他の研究機関にて解析を行っている遺伝子改変マウスの繁殖等に多少の時間がかかってしまった。その影響で、一部実験スケジュールが変更になったため、次年度使用額が生じた。
使用計画:2021年度は、主にNKT/MZ-B細胞バランスを制御する因子の同定が中心となる。2020年度からの未使用の研究費は、マウスの解析に加え、因子の同定に向けた実験等に使用する。また研究者とのディスカッションによる新たな研究手法の開発や学会発表などに向け、旅費についても未使用の分を予定通りに活用していく計画である。
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