2022 Fiscal Year Research-status Report
病原真菌アスペルギルスの感染症薬暴露による薬剤耐性機構と病原性変化
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18K06668
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
石橋 健一 女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (20453805)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Aspergillus / 抗ウイルス薬 / β-グルカン / 細胞壁構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
易感染状態の患者においては、細菌、ウイルス、真菌との複合的な感染を起こすことがあり、その予防または治療には複数の感染症治療薬が用いられる。この時、他の感染症治療薬にAspergillusが曝露される可能性があり、予期せぬ相互作用が懸念される。 これまでに,Aspergillusは菌体外にリムルスG因子活性物質すなわちβ-1,3-glucanを放出することが知れている.アシクロビル添加培養によって,菌体成長に変化が認められたことから,菌体外へ放出する抗原量も変化する可能性があるので添加,非添加条件下にA. fumigatus NBRC 33022を培養し,培養上清を経時的に回収し,β-1,3-glucan含量を抗β-1,3-glucanモノクローナル抗体を用いたELISA法にて測定した.その結果,静注用アシクロビル添加培養では,非添加培養と比較し,培養上清中のβ-1,3-glucan濃度が上昇した.また,非添加培養では,β-1,3-glucan濃度が経時的に減少したのに対し,添加培養では経時的に濃度が上昇した. Aspergillus 細胞壁は,galactomannan,α-1,3-glucan,β-1,3-glucan,chitinなどの多糖と少量の脂質,タンパク質から構成されている.細胞壁を構成する多糖は,真菌における病原関連分子パターンとして,Aspergillusに対する宿主免疫応答に関与していることが知られている.そこで,抗微生物薬の有無によるAspergillus 細胞壁構成成分の変化を検討した. 各菌体をβ-1,3-glucanaseであるzymolyaseで消化し感受性部の割合を比較したところ,添加培養の方が高い割合を示した.抗ウイルス薬添加により,菌体及び菌体外細胞壁多糖の構成が変化していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでに臨床で使用されている抗ウイルス薬を使用して検討してきた.今年度において,抗ウイルス薬がAspergillusの菌体外多糖の量や組成、細胞壁多糖の構造を変化させていることが示唆された。Aspergillus抗真菌薬感受性および細胞壁βグルカンへの抗ウイルス薬の影響について、分子メカニズムを明らかにする部分に関しては、まだ結果が示せていないので、遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本現象のメカニズムを明確にするため,薬剤感受性に関わる遺伝子発現およびβグルカン合成に関わる遺伝子の解析を行う.
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Causes of Carryover |
予定をしていた遺伝子解析について,実験研究時間確保に影響が出てしまい,未実施となってしまった.条件を絞り込み,解析を行うため予算を使用していく予定である.
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