2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the physiological significance of zinc in taste cells
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18K06673
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
西田 健太朗 摂南大学, 薬学部, 准教授 (20533805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 一樹 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30228001) [Withdrawn]
大石 晃弘 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (70780089) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 必須微量元素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、亜鉛の味覚情報伝達への関与を精査するため、亜鉛バイオセンサーを用いて味刺激に対する味細胞からの亜鉛放出性の検討を行っている。 これまでに亜鉛を検出するバイオセンサーの機能性を確認できたため、当該年度は引き続き、味細胞からの亜鉛放出に関する検討を行った。その結果、味細胞存在下で味刺激を与えたときの, 全hTRPA1安定発現細胞に対する細胞内Ca2+レベルが2倍以上の上昇が認められた細胞の割合は, 18.00 ± 6.36%であった。同様の実験を100μM MgEDTAを用いて行った場合, その割合は8.05 ± 4.46%と有意に低く, これは亜鉛キレート能を有しない100μM ZnEDTAを作用させた場合 (12.68 ± 3.67%) と明らかに異なっていた。一方, 味細胞非存在下で味刺激のみを与えた場合, 並びに味細胞存在下で味刺激を与えなかった場合の細胞内Ca2+レベルが2倍以上増加した細胞の割合は, それぞれ0.11 ± 0.19% 及び3.26 ± 3.61% であり, これらの値は味細胞存在下で味刺激した場合より有意に小さかった。また, 今回作製したhTRPA1安定発現細胞は, カルシウム蛍光プローブとしてFura2/AMを用いることで, 細胞内Ca2+レベルを指標に細胞外のZn2+レベルの上昇を検出でき, 亜鉛バイオセンサーとして機能することを確認している。そのため, カルシウム蛍光プローブとしてFluo-4/AMを用いて検出された細胞内Ca2+レベルの上昇は, 細胞外Zn2+レベルの上昇に起因することを示唆する。以上のことから, 味刺激によって味細胞から細胞外へ亜鉛が放出されることが示唆された。
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Research Products
(1 results)