2019 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集が遺伝情報へ及ぼす影響の動的モニタリングを可能とするための基盤研究
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18K06679
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
中村 公亮 国立医薬品食品衛生研究所, 食品部, 室長 (60570926)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エピゲノム / DNA結合タンパク質 / 動的モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が昨年度開発したscChIC-Seq法を用いることで、単一細胞レベルで高感度にヒストン修飾(活性型ヒストン修飾H3K4me3と抑制型ヒストン修飾H3K27me3)を検出することが可能であることが実証された(Ku, Nakamura, et al., Nature Methods, 2019)。本法は、単一細胞の核内でゲノムDNAを新型プローブと反応させ、そのままホルムアルデヒドでタンパク質とDNAを架橋し、免疫沈降法の原理を応用して、特異的なゲノム領域を抽出精製し、得られたDNAを網羅的にシークエンス、得られたシークエンスデータをリファレンスゲノムと照合させることにより、ゲノムの場所を特定する新しい技術である。しかし、シークエンサーに供するサンプルの調製までは技術的なハードルが高く、実験ステップ数が多い。本年度では、このプロトコルの改良と簡略化を重点的におこなった。その結果、改良型scChIC-Seq法として汎用性の向上に結び付いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HEK293細胞のゲノムセーフハーバーとして汎用されている領域にCRISPR-Cas9で切断したクローンを作成し、改良型scChIC-Seq法を用いて解析した。ゲノムDNAを編集することで、その何らかの記録がDNA結合タンパク質の様式に残っていることを期待した。scChIC-Seq法の改良をを行う中で、ゲノム編集前後におけるH3K4me3とH3K27me3のエピゲノム修飾パターン並びに、それらのbivalent domain のパターンについて検討などを行うようになり、当初見込んでいたスケジュールと比較すると遅れていることは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
scChIC-Seq法をベースとして、方法のさらなる改良、ヒストンエピゲノム修飾の生物学的な意義解明、新規エピゲノム修飾の検討を行っていく。2年目では、既存の試薬等を使用してきた。最終年度ではサンプルの解析を積み重ね、統計的な処理を行い、結果の再現性について引き続き検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
2年目では、既存の試薬等を多く使用してきた。最終年度ではサンプルの解析を積み重ね、統計的な処理を行い、結果の再現性について引き続き検討を行っていく。
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