2018 Fiscal Year Research-status Report
新規パーキンソン病関連遺伝子midnolinの生理的、病理的な役割の解明
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18K06681
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小原 祐太郎 山形大学, 医学部, 准教授 (40400270)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | midnolin / MIDN / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、Midnolin(MIDN)の病態生理的な役割に関して、in vitroおよびin vivoの両面からの解明を試みた。PC12細胞において、MIDNのトランスクリプトーム解析(RNA-seq法)を以前に行ったが、MIDNにより発現が4倍以上亢進する遺伝子群をあらたに抽出して、それら各遺伝子のプロモーターに共通する配列を複数見出した。さらに、その共通配列に結合すると予想される転写因子の候補4つを見出した。現在はMIDNとこれらの転写因子の結合を免疫沈降法などで調べている段階である。また、このトランスクリプトーム解析により、MIDN遺伝子を欠損させると、パーキンソン病の原因遺伝子であるSNCAの発現上昇およびPRKN(Parkin)の発現低下が認められたが、ヒト脳由来のSHSY5Y細胞においては、MIDNノックダウンによるPRKNの発現の減少が再現出来たが、SNCAの発現量は増大しなかった。 in vivoの実験に関しては、すでにMIDNノックアウトマウスをゲノム編集法により作製し、繁殖に成功していた。そのヘテロノックアウトマウスと野生型のマウスを交配させると、野生型およびヘテロノックアウトマウスがメンデル則に従って1:1で生まれるが、ヘテロノックアウトマウス同士を交配させると、ホモノックアウトマウスはほぼ生まれず、稀に生まれた個体も生後すぐに死亡する。これらのことから、MIDN遺伝子の完全なノックアウトは致死的になり、MIDNが生体内での必須の役割を担っているものと思われる。今後はこのヘテロノックアウトマウスがパーキンソン病様の症状を呈するかどうか、マウスの自発的運動量を測定する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Midnノックアウトマウスの繁殖が順調に進み、現在は12ヶ月齢を超えるノックアウトマウスの個体数が増えてきた。18ヶ月齢に達したマウスから順に行動解析を行い、パーキンソン病様の症状を呈しているかどうかを確認する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はMidnノックアウトマウスの行動解析を行うとともに、ヒトMIDN遺伝子プロモーターをクローニングして、MIDN遺伝子の発現に重要なプロモーター部位の特定および転写因子を同定していく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)当該年度に購入予定だった動物行動解析システム(ハードウエア、ソフトウエア一式)を、次年度に購入することにしたために、次年度使用額が生じた。そのために、残金を繰越し金として次年度に使用することにした。
(使用計画)当該年度に購入予定だった動物行動解析システムを次年度に購入する予定である。
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Research Products
(3 results)