2020 Fiscal Year Research-status Report
新規パーキンソン病関連遺伝子midnolinの生理的、病理的な役割の解明
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18K06681
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小原 祐太郎 山形大学, 医学部, 准教授 (40400270)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | midnolin / MIDN / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、Midnolin(MIDN)遺伝子プロモーターの解析に精力的に取り組んだ。ヒトSHSY5Y細胞をインスリンで刺激すると、MIDN遺伝子の発現がERK1/2あるいはPI3K依存的に亢進することがわかっていたが、その下流のシグナル伝達については不明であった。
SHSY5Y細胞からMIDN遺伝子プロモーター部位(-600 bp ~+125 bp)をクローニングし、ホタルルシフェラーゼ遺伝子と連結した。このルシフェラーゼ活性を定量することで、MIDNプロモーター活性の指標とした。さらに、このプロモーターを徐々に短くしたDNAコンストラクトを作製し活性を定量すると、-150 bpから-100 bpにプロモーター活性を負に調節する領域があること、さらに、-100 bpから-50 bpには正に調節する領域があることを見出した。転写因子に関したデータベースを利用して解析すると、-121 bpから-99 bpにはTFAP2のコンセンサス配列が、-71 bpから-57 bpにはAP-1とCREBのコンセンサス配列が存在することを見出した。これらの配列に変異を導入すると、プロモーター活性が大きく変化した。また、インスリンによりAP-1とCREBの活性が上昇し、ERK1/2とPI3Kシグナルを阻害すると、これらの転写因子の活性が減弱した。
以上のことから、インスリンはAP-1とCREBを活性化して、さらにはTFAP2の活性を抑制して、MIDN遺伝子の発現を誘導していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MIDNプロモーターの解析を大きく進展することが出来て、実際に論文を投稿することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、論文の査読で指摘された点を中心に追加実験を行い、論文の採択を目指していく。 具体的には、1)実際にAP-1やCREBなどの転写因子がMIDNプロモーター上に結合することを示すこと、2)初代培養神経細胞など、他の神経系の細胞でも同様の事象が再現出来ることを目標とする。
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Causes of Carryover |
今年度の成果をまとめて論文を投稿したが、査読の結果、追加実験を要求された。その追加実験を行うために補助事業期間延長の手続きをして、その追加実験の費用に次年度使用額を使用する計画である。
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