2019 Fiscal Year Research-status Report
CSPaリン酸化による神経終末保護作用に着目した新規パーキンソン病治療法の開発
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18K06700
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白藤 俊彦 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (30595765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 教授 (60178499)
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 准教授 (80346254)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リン酸化 / HSP70 / シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はProtein Kinase C(PKC)による神経細胞のシナプスのシナプス小胞の膜上に存在するHSP40であるCysteine String protein alpha(CSPa)のリン酸化に注目し、HSO70のシャペロン活性を制御することでドパミン神経細胞変性を制御することを目的とするものである。いままでに、PKCによるCSPaのSer10と34のリン酸化がこのHSP70のシャペロン活性制御に重要であることが分かっており、先年度は、CSPaのSer34のリン酸化を特異的に認識する抗体を作製し、それがマウスの全脳から抽出したCSPaにおいてバンドを検出することを確認した。2019年度はリン酸化欠損変異体を用いたリン酸化抗体の性能の測定を行い、immunoblotではCross-reactivity を生じず、使用可能であることを確認した。 また、このCSPaのSer34リン酸化抗体を用いて免疫組織染色を行った。残念ながら、Immunoblotでは使用可能であった抗体が、免疫組織染色では使えないことが分かった。 CSPaのリン酸化欠損変異体、模倣変異体のアデノ随伴ウイルスやマウスの作製は、研究代表者の研究室異動に伴い、遅れている状況である。 2020年度は新規に異動した研究室において、CSPaのリン酸化欠損変異体、模倣変異体のウイルス作製やマウスの作製を行う予定である。 PKCのリン酸化が結果的に神経保護作用を有するという研究結果がパーキンソン病だけでなく、脊髄小脳変性症でも出てきており、黒質-線条体系に加えて、小脳プルキンエ細胞での解析も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、作製したCSPa Ser34のリン酸化抗体の性能の確認を行ったが、 研究代表者が、研究室を異動し、実験ができない期間があり、残念ながら、実験がやや遅れる状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの脳に用いることに加えて、プライマリ神経細胞を用いた実験を考え、アデノ随伴ウイルスに加えて、レンチウイルスを作製する。 また、マウスに関しては、Knock-in動物をES細胞で相同組換えを用いて作製することを考えていたが、現所属研究室で、Crisprを用いて遺伝子改変を行っており、この手法を用いて、Ser/AlaやSer/Aspのマウスを作製する方針に切り替える。 また、PKCのリン酸化が結果的に神経保護作用を有するという研究結果がパーキンソン病だけでなく、脊髄小脳変性症でも出てきており、黒質-線条体系に加えて、小脳プルキンエ細胞での解析も行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究代表者が、研究室を異動したことに伴い、実験計画が遅れたために次年度使用額が生じました。2020年度は、CSPaのリン酸化模倣、欠損変異体を持つウイルス作製やマウスの作製を行う予定であり、その後の検証の実験にも適正に使用する予定です。
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