2018 Fiscal Year Research-status Report
スパインにおけるアクチン重合因子Fhod3の機能解明
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18K06701
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
根本 隆行 宮崎大学, 医学部, 助教 (90506833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武谷 立 宮崎大学, 医学部, 教授 (50335981)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Fhod3フォルミン蛋白質 / 樹状突起スパイン |
Outline of Annual Research Achievements |
脳・神経細胞において樹状突起スパインは、外部刺激により形態や機能を可塑的に変化させ、記憶・学習などの高次脳機能に重要な役割を果たしている。スパインの形態はアクチン細胞骨格の再編に伴い変化し、より効率の良い神経伝達を図っている。アクチン細胞骨格の再編は、網目状のアクチン線維を形成するArp2/3や直線上のアクチン線維を形成するフォルミン蛋白質などのアクチン細胞骨格制御因子により制御されている。しかしながら、樹状突起スパインにおけるアクチン細胞骨格の制御機構については、未だ十分な理解を得られていない。 申請者らはこれまで「アクチン重合因子Fhod3フォルミン蛋白質」を同定し、Fhod3蛋白質が心臓、腎臓および脳に発現していることを明らかにした。詳細な解析を行った結果、Fhod3は心筋細胞におけるサルコメア形成および機能維持に必要不可欠であった。また、最近、申請者らはFhod3が神経発生時期の神経管形成に必須であることを報告した。 当該研究において、まず成獣マウスを用いてFhod3の発現解析を行なった。その結果、Fhod3は成獣マウス大脳皮質の特定部位の神経細胞に発現していた。さらに培養神経細胞を用いて神経細胞内の詳細な局在解析を行なった結果、Fhod3がスパイン内部へ集積することを明らかにした。Fhod3のスパインへの集積はスパインにおけるFhod3のアクチン細胞骨格再編への関与を示唆するものであった。現在、脳特異的Fhod3欠損マウスを用いてスパインにおけるFhod3の機能解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、樹状突起スパインにおけるFhod3の機能を解析するものである。当該年度は、成獣マウス脳におけるFhod3の発現および局在解析を行い、Fhod3が大脳皮質神経細胞の樹状突起スパインへ集積することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脳特異的Fhod3欠損マウスを用いてスパインにおけるFhod3の機能解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
当該期間中は、マウス飼養等に要する費用にとどまっており、新規に購入しなればならない消耗品および器具等はほとんどなかった。次年度は、消耗品の購入に使用する予定である。
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