2019 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive study on diversity of Curcuma drugs used as medicines / food supplements for standardization, responding to a global society
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18K06714
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小松 かつ子 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (50225570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
當銘 一文 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (80563981)
朱 シュウ 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (20377360)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウコン属生薬 / クルクミノイド生合成酵素遺伝子 / 遺伝子多型 / 精油成分 / 抗炎症作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.遺伝子解析 (1) アジア8ヵ国原産のCurcuma属植物12種62検体を外部形態的特徴から同定し,また文献調査により同属生薬46検体に学名を付した。全検体の葉緑体trnK遺伝子の塩基配列を決定した結果,Ltk,K(pl)Ztk,Atk,Ptk,K(gl)Wtkの5タイプに分けられた。Ltk:C. longa, C. petiolata;K(pl)Ztk:C. zedoaria, C. zanthorrhiza, C. aromatica (Ind, Thai), C. comosa;Atk:C. aromatica (JP);Ptk:C. phaeocaulis, C. aeruginosa, C. amada, C. mangga;K(gl)Wtk:C. wenyujin, C. kwangsiensis (gl type)。C. zedoaria (Thai)基原とされるタイ生薬には,LtkとK(pl)Ztkが認められた。 (2) クルクミノイド生合成酵素遺伝子イントロン長多型(ILPs)の解析を行い,樹状図を作成した結果,全検体は2グループ(Ⅰ, Ⅱ)5サブグループ(S1~S5)に大別され,種毎にまとまった。Ⅰ:S1はC. longaからなり,日本・中国,タイ,南アジア産がそれぞれグループを形成し,C. zedoaria (Thai)が含まれた。S2はC. petiolataとC. comosaで構成。Ⅱ:S3はC. wenyujinとC. kwangsiensis (gl type)で構成。S4はC. zedoaria (JP),C. phaeocaulis及びC. aromatica (JP)で構成。C. zedoaria (JP)と同様のILPsパターンをC. zedoaria (Inn)及びC. aeruginosa (Inn)基原とされるインドネシア生薬が示した。C. phaeocaulisは2グループに分かれ,葉中肋の紫色の帯状斑の幅と関連した。幅が狭い同種と同様のILPsパターンをC. aeruginosa (Thai)基原とされるタイ生薬が示した。S5はC. zanthorrhiza,C. amada及びC. manggaで構成。C. zanthorrhizaと同様のILPsパターンをC. aromatica (Ind, Thai)基原とされるインド及びタイ生薬が示した。 2.精油成分の分析 検体粉末を固相マイクロ抽出し,微極性液相カラムによりGC-MSを行うことに決定し,代表的な3種4検体を分析して代表的なピークを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
植物及び生薬材料の収集とtrnK遺伝子解析及びILPs解析に集中したため,成分分析が予定通りに進まず,初期の計画よりも若干遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 遺伝子解析:クルクミノイド生合成酵素遺伝子イントロン領域から,種に固有な配列を見出す。 2. 成分分析と多変量解析:全検体のGC-MS分析を行い,得られたデータを用いた多変量解析を行い,遺伝子型と成分組成との関連性を明らかにする。また,HPLC分析で精油成分及びクルクミノイドを定量する。 3. 生物活性試験:抗炎症作用をCOX-2阻害活性などから調べ,活性成分を検討する。 以上を推進するため,分担研究者及び担当大学院生との連携を密にする。
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Causes of Carryover |
前年度に購入していた試薬,溶媒,器具などを使用することで,実験を行うことができたため。次年度に繰り越して消耗品として使用する。
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