2020 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive elucidation of the biosynthetic pathway of arzanol to establish its microbial production platform
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18K06715
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田浦 太志 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (00301341)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルザノール / カレープラント / 生合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
カレープラントが生産するアルザノールの生合成経路について、昨年度までにポリケチド合成酵素およびプレニル基転移酵素の同定と機能解析に成功した。本年度はポリケチドのメチレン架橋を介した酸化的ヘテロカップリングによりアルザノールを生成する生合成酵素の探索を検討した。本推定反応のような分子間メチレン架橋形成を触媒する酵素は未知であるが、分子内メチレン架橋形成を触媒するベルベリン架橋酵素と類似した構造の酵素である可能性を想定し、カレープラント若葉のトランスクリプトームデータより、9種のベルベリン架橋酵素ホモログをセレクトした。これらのcDNA全長をPCR増幅し、発現ベクターpPICZAに組み込んだ後、Pichia pastoris KM71H株にエレクトロポレーションで導入した。得られた組換え体についてメタノールを含む培地で液体培養して組換え酵素の発現を誘導し、細胞抽出液および培養上清を用いたアッセイを行った。しかしながら、9種の組換え酵素いずれを用いた場合も、アルザノールを生成する活性を見出すことができなかった。アルザノールの生合成機構に関してはホルムアルデヒドを媒介とした非酵素反応による生成メカニズムも提唱されており、非酵素反応により進行する可能性について検討が必要である。 また、アルザノールの微生物生産に向けた第一ステップとして、本研究で得られたPichia pastoris HiPKS1発現株を用いたポリケチドの生産を検討した。この結果、本組換え体はメタノール含有培地での液体培養において、基質の供給なしにアルザノール前駆体の一つであるphloroacetopheneを1mg/Lレベルで生成可能であるという驚くべき結果が得られた。アルザノール合成酵素が得られていない現状ではあるが、本組換えPichiaはアルザノール関連化合物の微生物生産プラットフォームとして有用と考えられる。
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Research Products
(5 results)