2019 Fiscal Year Research-status Report
Genetic analysis guided Salacia resource exploration: on the diversity of Salacia species in China
Project/Area Number |
18K06716
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
朱 シュウ 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (20377360)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | Salacia / Genetic analysis / biodiversity / molecularidentification |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 中国の海南省にてSalacia属植物の調査を行い、Salacia属3種の自生状況を確認した。S. chinensis及び他の1種について、花及び果実を観測できた。 2) 中国産Salacia属植物7種について、核DNAのInternal Transcribed Spacer(ITS)領域及び葉緑体DNAのtrnK-rps16 Intergenic Spacer領域の塩基配列を解析し、比較を行った。両領域において種内多型があったものの、各種に特徴的な塩基配列が認められた。また、これまでに解析した東南アジア各国産Salacia属植物数種及びGenBank に登録されている同属植物のITS領域の塩基配列との比較を行い、系統樹を構築することにより、これら7種と他の同属植物との分子系統関係を明らかにした。 3) 健康食品の原料として主に利用されるSalacia属植物薬用種3種を簡便に同定できるPCR-RFLP法を開発した。生薬や健康食品製品の場合、得られるDNAが断片化され、長いPCR産物の増幅が困難であることを考慮し、ITS1及びITS2領域を分けて短いフラグメントを増幅することにした。PCR法で各々増幅したITS1及びITS2のフラグメントに一種の制限酵素を用いる消化反応を行うことにより、各種に特異なフラグメントパターンが得られ、種を判別することが可能であった。オンラインスドアで入手した「サラシア」、「サラシア茶」などの名称で市場に流通している健康食品について、確立したPCR-RFLP法を適用したところ、正確に同定できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Salacia属植物7種について、核DNAのITS領域及び葉緑体DNAのtrnK-rps16領域の塩基配列を解析し、各種の特徴的な塩基配列を明らかにした。ITSの塩基配列に基づき構築した系統樹により、これら7種と世界各国に分布する同属植物との分子系統関係を明らかにした。また、健康食品の原料として主に利用されるSalacia属植物薬用種3種を簡便に同定できるPCR-RFLP法を開発した。
|
Strategy for Future Research Activity |
成分分析を進める。遺伝子解析により明らかにした分子系統関係をインデクスにして外部形態の詳細観測・整理及び含有成分の比較を行う。
|
Causes of Carryover |
2018年度にできなかった一か所の現地調査を2019年度に実施する予定であったが、開花時期に合わせる日程調整が難しかったため、その旅費を2020年度に繰り越した。
|