2020 Fiscal Year Research-status Report
特定外来生物を活用した抗生活習慣病薬および抗悪性腫瘍薬のシーズ探索
Project/Area Number |
18K06722
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
黒田 明平 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80266890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 克典 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20597687)
松尾 侑希子 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (70434016)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特定外来生物 / オオキンケイギク / ナガエツルノゲイトウ / オオフサモ / ミズヒマワリ |
Outline of Annual Research Achievements |
【成分探索、構造決定および生物活性評価】特定外来植物であるオオキンケイギク頭花、ナガエツルノゲイトウ地下部、オオフサモ全草の MeOH 抽出物について、成分探索、単離化合物の構造決定および生物活性評価を実施した。 1)オオキンケイギク頭花より単離した化合物14[新規ビフラバノイド(C32H26O12)]は、リクイリチゲニンとナリンゲニンが 3 位どうしで炭素-炭素結合した化合物である。2 位の絶対配置は立体が明らかになっている類似化合物との CD スペクトルの比較により、2R と決定した。単離化合物 1 - 14 の AMPK 活性化をHepG2ヒト肝がん細胞を用いて測定した。ポジティブコントロールにはメトホルミンを使用した。その結果、全ての化合物は活性化を示さなかった。 2)ナガエツルノゲイトウ地下部より単離した新規トリテルペン配糖体2種(化合物 8、9)の構造を、各種二次元NMRスペクトル解析および酸加水分解の結果より決定した。単離化合物 1 - 14 について、SBC-3 ヒト小細胞肺がんに対する細胞毒性試験を MTT 法により評価した。その結果、30-ノルオレアナン型トリテルペン配糖体である化合物 11 が強い細胞毒性を示した。 3)オオフサモ全草より、既知フラボノイド4種(1 - 4)を単離し、それらの構造を決定した。化合物 1 - 4 は既知化合物であるが、本植物からの単離は初めてである。 【特定外来植物の採取】1)ミズヒマワリ(全草、3.76 kg)茨城県稲敷郡にて採取を行った。2)アレチウリ(果実)茨城県稲敷郡にて採取を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
緊急事態宣言に伴い、大学内における研究活動の一部制限や、特定外来生物(植物)の採取目的の遠隔地への移動制限により、当初の実験計画より「やや遅れている。」
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Strategy for Future Research Activity |
【成分探索、構造決定および生物活性評価】 1)特定外来植物であるオオフサモ全草の MeOH 抽出物について、成分探索、単離化合物の構造決定および生物活性評価(腫瘍細胞毒性、AMPK活性化)を実施する。 2)採取予定であるボタンウキクサ、ツルヒヨドリの MeOH 抽出物について、TLC と HPLC 分析および生物活性評価(腫瘍細胞毒性、AMPK 活性化等)を実施する。 【特定外来植物の採取】 事前調査結果に基づき、ボタンウキクサとツルヒヨドリを沖縄で採取予定である。 最終年度のため、研究成果の総括・まとめを実施する。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言に伴い、大学内における研究活動の一部制限や特定外来生物(植物)を採取するための遠隔地への移動の制限があったため、当初予定した研究内容が実施できなかった。次年度は、今年度実施できなかった特定外来生物(植物)のMeOH抽出物からの成分探索と生物活性評価、および特定外来生物(植物)の採取を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)