2019 Fiscal Year Research-status Report
バイオマーカーを用いたラモトリギンの体内動態および皮膚障害発現予測の基盤構築
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18K06748
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤吉 正哉 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (50751921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 範高 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00243957)
松本 准 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60709012)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バイオマーカー / ラモトリギン / 個別化医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗てんかん薬ラモトリギンの主要な体外排泄経路は、UGT1A4によって産生されるグルクロン酸抱合体の尿中排泄である。従って、UGT1A4活性を反映するバイオマーカーはラモトリギンのクリアランス予測に有用である可能性がある。本研究では、バイオマーカーを用いたラモトリギン体内動態の予測基盤を確立することを目的とした。UGT1A4の内因性基質である25-hydroxyvitamin D3 (25-OH-VD) およびUGT1A4による代謝産物である25-hydroxyvitamin D3 3-glucuronide (25-OH-VD-glu)をバイオマーカーの候補として選定後、候補物質の血液中濃度を高感度に測定できる系の確立を目的とし、各種誘導体化を検討した。測定機器としては、高速液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置 (LC-MS/MS)を用いた。25-OH-VDに対しPTAD誘導体化を行い、ポジティブモードで検出した結果、定量下限0.1 ng/mLの測定系を確立することができた。一方、25-OH-VD-gluについては、ネガティブモードで検出することで、定量下限0.1 ng/mLの測定系を確立することができた。以上、本年度の検討によって、測定感度を10倍向上することに成功し、臨床検体における血中濃度を測定する準備が整った。順次、臨床検体における25-OH-VDおよび25-OH-VD-gluの血中濃度測定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、25-OH-VDおよび25-OH-VD-gluの血液中濃度を高感度で定量できる測定系を開発できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の検討により、血液中バイオマーカーを高感度に測定する定量系が確立された。最終年度である本年度は、臨床検体における内因性基質およびUGT1A4による代謝物の血中濃度を測定し、申請者が提唱しているラモトリギンクリアランス予測のバイオマーカー(UGT1A4による代謝産物/内因性基質)の有用性を評価・実証する。有用性が実証されたバイオマーカーを用い、母集団解析によってラモトリギンクリアランスの予測式を構築し、患者個々に適した初期投与量の算出に資する方法論を提唱する。
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Causes of Carryover |
消耗品の使用が抑えられたこと、参加予定の学会が延期となり旅費が抑えられたことにより、次年度使用額が生じた。臨床検体における血中濃度測定および研究成果の発表費用として使用する。
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Research Products
(1 results)