2019 Fiscal Year Research-status Report
レバミピド局注液の食道内視鏡治療後狭窄予防効果についての検討
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18K06757
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
藤本 愛 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 政策医療企画研究部, 医師 (10468712)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ESD潰瘍治癒 / 内視鏡治療 / 粘膜下層局注液 / レバミピド局注液 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌の内視鏡治療時にナイフで切開する粘膜下層は非常に薄いため、生理食塩水などのlifting剤を粘膜下層に注射(局注)して膨隆させ穿孔を予防する。今回、lifting剤としてレバミピド局注液を作成し、レバミピド局注液による内視鏡治療後の潰瘍治癒と食道狭窄予防効果について検証するためにブタを用いた動物実験を計画した。 平成30年度4月6月までの期間に動物実験計画書作成、動物実験委員会の承認を得た後、実験に必要な内視鏡デバイスや試薬を購入した。平成30年7月から平成31年3月までに合計3頭の動物実験を行い、平成31年4月から令和2年3月までにさらに9頭の動物実験を行った。実験動物の 購入・搬送費、飼育費、内視鏡機器関連の消耗品(吸引チューブや治療デバイス)の購入に研究費を使用した。1 頭は麻酔導入後全身に発赤と湿疹が出現し、血圧や脈拍が安定しなかったことからその場で安楽死とした。おそらく麻酔薬によるアレルギー反応と考える。5頭は内視鏡治療後1週間後に、5頭は2週間後、1頭は3週間後に安楽死させ、食道を摘出し内視鏡治療後潰瘍底の面積、食道 の幅(狭窄の程度)を計測した。さらに摘出した食道組織において潰瘍治癒の程度や炎症細胞数や線維化を病理評価も行っている。一部の病理評価を行った結果では1週間後、2週間後ともにレバミピド局注液を使用した方が治癒のスピードが早かったことがわかった。 次年度もさらに実験頭数を追加し継続を予定しているが、4月以降、COVID-19感染拡大の影響で慶應義塾大学医学部動物実験センターが閉鎖となり実験を行うことができていない。現在再開の目途が立っていない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の準備に時間がかかり、昨年度は実験が予定より遅れていたが、本年度は予定通り実験を行うことができ、遅れを取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、3週生存の動物実験を4頭追加し、すべての病理評価を行う予定である。また、実験成果のまとめ、学会や論文報告を行う予定である。 しかし、COVID-19感染拡大の影響で実験再開の目途がたっていない。また本年度は秋に開催される国内学会、欧州の国際学会で成果を発表予定であったが、学会の開催も未定な状況である。
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Causes of Carryover |
動物実験計画書の申請、実験の準備に時間を要したため、2018年度に3頭しか実験できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は継続する動物実験費用、国内、国外学会での発表、旅費、論文作成、投稿費、英文校正費などに使用予定である。
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