2020 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病薬の有効性、安全性およびがん予防効果に関する薬剤疫学の国際共同研究
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18K06759
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
橋本 梓 (原梓) 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (20740426)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 薬剤疫学 / 降圧薬 / 糖尿病治療薬 / 脂質異常症治療薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生活習慣病薬に関する薬剤疫学の国際共同研究を実施し、薬剤感受性遺伝子を検討することを目的とする。特に、以下のニ点のゲノム網羅的探索に取り組む。 1.Rotterdam研究におけるアスピリン、HMG-CoA還元酵素阻害薬、ビグアナイド系糖尿病薬の各薬剤の有効性、各種がん予防効果、およびそれらに関連する薬剤感受性遺伝子多型の探索 Rotterdam研究は、1989年に開始されたオランダRotterdam郊外のOmmoord地区の55歳以上の住民を対象とした、長期前向きコホート研究である。本年度は、新型コロナウイルス流行が収束し次第渡欧し、共同研究先であるオランダErasmus Medical Centreにて研究テーマについて分析を行うことを共同研究者と確認し、研究計画について意見交換を行い、最新の知見を反映した解析計画を作成した。しかしながら、年度内に渡欧することが叶わず、次年度に実施することとした。 2. 家庭血圧に基づいた全国規模の無作為化比較試験HOMED-BP研究における、降圧薬の効果および副作用発現に関連する遺伝子多型の探索 HOMED-BP 研究は、家庭血圧に基づいた全国規模の無作為化比較試験であり、帝京大学、東北大学、ベルギーLeuven大学との共同研究として行われている。本年度は、治療前血圧値が家庭血圧の降圧度に及ぼす影響を学術誌に公表した(BMJ Open. 2020)。さらに、新型コロナウイルス流行が収束次第渡欧し、共同研究先であるベルギーLeuven大学にて、降圧薬の効果および副作用発現に関連する遺伝子多型の探索について意見交換および一部分析を行う予定であったが、年度内に渡欧することが叶わず、次年度に実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
海外共同研究先における研究データの分析が必要であるものの、新型コロナウイルス流行により渡欧が叶わず、次年度に繰り越して研究訪問を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度新型コロナウイルス流行により共同研究先における研究を行うことができなかったため、次年度に繰り越して行う計画を含む。 1. Rotterdam研究におけるアスピリン、HMG-CoA還元酵素阻害薬、ビグアナイド系糖尿病薬の各薬剤の有効性、各種がん予防効果、およびそれらに関連する薬剤感受性遺伝子多型の探索 候補遺伝子多型の更新を適宜行い、最新の知見に基づいた解析計画を作成する。Rotterdam研究の対象者におけるデータセットの作成およびデータクリーニングを行う。さらに、作成されたデータセットを用い、各薬剤に関して、薬剤感受性遺伝子多型の探索を行う。 2. 家庭血圧に基づいた全国規模の無作為化比較試験HOMED-BP研究における、降圧薬の効果および副作用発現に関連する遺伝子多型の探索 HOMED-BP研究のデータを用いて、降圧薬の効果および副作用発現に影響する遺伝子多型について探索を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行に伴い、国際学会がオンライン開催となり、また流行感染収束後に渡欧し、共同研究先において研究を遂行する予定であったが、2年連続して渡欧がかなわなかったことから次年度使用額が生じた。
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Research Products
(4 results)