2019 Fiscal Year Research-status Report
抗癌剤シスプラチンのmulticycleにおける腎障害の予測および影響因子の探索
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18K06771
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
福島 恵造 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (30454474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 信幸 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (40418934)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | シスプラチン / 腎毒性 / 反復投与 / 慢性腎障害 / 母集団解析 / Pharmacometrics |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の実施計画は、①構築した準生理学的モデル(亜慢性腎毒性[sCKI]増悪化係数)を用いてCDDP用法B・E法(1cycle = シスプラチン[CDDP]単回投与+3週間休薬)で任意の用量・任意のcycleでのsCKIを予測、②CDDP用法A・D法(1cycle = 5日連続投与+2週間休薬)でのdose-response曲線およびDsCKIの値を得る、であった。①に関して、前年度から例数を補強し、sCKIを予測する基本モデルとして、 dCr/dt = Kin - Cr × CLcr/Vcr × DsCKI, DsCKI=Π(1 - CDDPγ/(Kmγ + CDDPγ)) Cr:血清クレアチニン値、Kin:クレアチニン生成速度、CLcr:クレアチニンクリアランス、Vcr:クレアチニンの分布容積、DsCKI:亜慢性腎毒性増悪化係数、CDDP:CDDP投与量、Km:50%最大毒性投与量、γ:Hill係数。 上記の構築したモデルで3 cycle施行時における用法B・E法における任意の用量(投与量1.0-7.5mg)でのsCKIの実測値を良好に捕捉できた。②に関して、A・D法におけるdose-response曲線(投与量1.0-7.5mg)が得られた。しかし、B・E法(一括投与)に比べるとA・D法(分割投与)ではsCKIの軽減効果が確認され、用法による毒性変化が考えられ同一モデルでの解析は不適と考えられた。しかし、基本骨格は同様でパラメータの補正(Km値)で対応可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験における実測値の収集は計画通りに進んでおり、解析に関しても想定内の結果であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、カルテ調査による後ろ向き検討より、基礎実験で構築したモデルのヒトへの外挿を予定しているが、covid-19のパンデミックにより、現在データ収集の中断を余儀なくされている。今後の見通しが全くの不透明であり、研究期間の延長または臨床研究の断念まで懸念される。
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Causes of Carryover |
covid-19により、研究成果発表学会の開催中止による。差額は次年度の実験用消耗品に充当させる。
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Research Products
(4 results)