2019 Fiscal Year Research-status Report
Diagnosis of Alzheimer's disease by plasma
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18K06787
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
城谷 圭朗 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (20322696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (60323036)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / バイオマーカー / 糖鎖 / 質量分析 / 脳脊髄液 / 血液 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで脳特異的糖鎖を認識するレクチンを用いてiPS細胞由来神経細胞の培養上清中に脳特異的糖鎖を持つ糖タンパク質があるかどうかを調べた。そしていくつかのレクチンに反応する糖タンパク質がiPS細胞由来神経細胞の培養上清中に存在することを示したが、その中の一つUDAレクチンでは糖タンパク質が検出されなかった。そこでUDAレクチンによる糖タンパク質検出の最適化をレクチンブロット法で行った。レクチンの反応時間を通常は1時間であるところを16時間にしたり、レクチンの至適濃度を検討したりしたが糖タンパク質は検出されなかった。よってUDAレクチンは脳特異的糖鎖を持つ糖タンパク質の精製ツールから除外した。現在脳特異的糖鎖を認識するいくつかのレクチンを用いてiPS細胞由来神経細胞の培養上清中から糖タンパク質の精製を検討している。 一方で、バイオマーカーを探す材料として血液のエキソソーム上に存在する脳特異的糖鎖を持つ糖タンパク質を検出する方法を開発し、バイオマーカーになるかどうか解析することが研究計画に含まれている。その第一段階として脳脊髄液のエキソソーム上に脳特異的糖鎖を持つトランスフェリン(Tf-1)が存在しているかを調べた。脳脊髄液から2社のエキソソーム精製キットを用いてエキソソームを精製した。まず精製したエキソソーム画分が確かにエキソソームを含むかどうかについてエキソソームマーカー抗体でウエスタンブロット分析した。すると、2社間で程度の差はあったが、エキソソームカーカーであるCD81が存在していたのでexosomeが精製されていることがわかった。次にTf-1の存在をウエスタンブロットで調べた結果、S社のキットにより精製したexosomeにはTf-1が存在したが、F社のキットのそれには存在しなかった。よってS社のエキソソーム精製キットを使う限り脳特異的糖鎖を持つTf-1が存在するエキソソームを精製できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルツハイマー病のバイオマーカーを精製するための脳脊髄液特異的糖鎖を持つレクチンを決定し、精製を行っているため。また脳脊髄液のエキソソーム内に脳特異的糖鎖を持つトランスフェリンの存在を確認し血清に応用できる可能性を示したため。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞を用いたバイオマーカー研究の項目では、脳型糖鎖を認識するレクチンを用いてiPS細胞由来神経細胞の培養上清中から糖タンパク質を精製しプロテオミクス解析によりバイオマーカーを同定する。エキソソームの研究項目では、まず血液から精製したエキソソームにもトランスフェリンが含まれているかを確認する。次に精製した血液エクソソームを脳型糖鎖を認識するレクチンで再精製し、脳特異的糖鎖を持つトランスフェリン(Tf-1)が含まれているかどうか確認する。Tf-1の存在が確認できた場合には、アルツハイマー病と健常者の血液から同法でエクソソームを精製し、両者間でのプロテオミクスを行いバイオマーカーを同定する。
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Causes of Carryover |
実験がスムーズに進み費用の節約ができたため、次年度使用が生じた。使用計画としては、エクソソーム精製キットの購入に充てる予定である。
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