2020 Fiscal Year Research-status Report
Diagnosis of Alzheimer's disease by plasma
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18K06787
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
城谷 圭朗 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (20322696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (60323036)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / バイオマーカー / 脳脊髄液 / 血液 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに決定した脳特異的糖鎖を認識するレクチンを用いて、アルツハイマー病患者(n=3)および対照者(n=3)のiPS細胞由来神経細胞の培養上清中から糖タンパク質を精製した。そのサンプルをトリプシン消化後質量分析計で分析し、存在量を比較することでバイオマーカー候補を抽出した。その結果、両郡間で有意に量が異なる糖タンパク質が20種類以上同定された。存在量比は0.25から32であった。さらに絞り込むために、エクソソームで発現していることが少なくとも一つの文献で示されている分子を検索したところ6個同定された。過去の報告によると、これらの中には以下のようにアルツハイマー病バイオマーカーとして非常に興味深いものがあった。まずバイオマーカー候補1はアストロサイトから分泌される糖タンパク質であり、タウタンパク質のリン酸化を促進させる。また患者血液で増加することも報告されている。バイオマーカー候補2は候補1のホモログである。文献によるとアルツハイマー病脳で多く存在し、記憶障害を誘発する。一方でバイオマーカー候補2の機能を阻害すると学習能力を回復させるという報告がある。本研究ではアルツハイマー病で増加する可能性が示唆されたので、これまでの報告とも一致する。バイオマーカー候補3もアルツハイマー病で増加するという報告や、アミロイドβと共局在するという報告がある。バイオマーカー候補4はアルツハイマー病との関連性は報告されていないが、増殖因子の一つでありグリア細胞の分化、神経細胞の神経突起伸長に関わる分子であった。バイオマーカー候補5もアルツハイマー病との関連性は明らかでないが、がん抑制遺伝子であるので神経細胞やグリア細胞の細胞死を制御し発症と関連があるかもしれない。最後にバイオマーカー候補6は鉄輸送タンパク質の一つであり、アルツハイマー病患者で多いという報告も少ないという報告もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳特異的糖鎖を持つアルツハイマー病のバイオマーカー候補タンパク質を同定し、エキソソームに発現されるものを絞り込んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
S社のエキソソーム精製キットを使い、脳脊髄液から脳特異的糖鎖を持つTf-1が存在するエキソソームを精製し、その画分に2020年度に同定した候補タンパクが検出されるかを調べる。検出されれば血液でも同様にエクソソームを精製し検出を行う。そして検出できた分子についてアルツハイマー病患者で量的変動があるかを定量的に解析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナにより研究活動が制約されたことによる。
バイオマーカー候補分子が実際に血液で変動しているかを評価する実験に必要なエキソソーム精製キットや抗体の購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)