2020 Fiscal Year Annual Research Report
Efficacy and safety evaluation of new anti-diabetic drug by analyzing the claim database
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18K06789
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
頭金 正博 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (00270629)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | レセプトデータ / スタチン / 経皮的冠動脈形成術 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナショナルレセプトデータベース(NDB)は、我が国の保険診療情報を網羅している医療情報データベースであり、悉皆性が高く薬剤疫学研究を行なう上で有用なデータベースである。一方、NDBは診療報酬のための情報を搭載しているため、医薬品の有効性や安全性を直接的に反映するデータは記載されていない。また、交絡因子が存在する可能性があることなどから、NDBを用いる薬剤疫学研究には、エンドポイントの設定に加えて解析手法などで工夫が必要になる。そこで、我々は、NDBを用いて医薬品の有効性と安全性を評価する研究の一環として、周術期におけるスタチン使用の有用性に関する研究を行った。 NDBを用いて、経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けた患者における周術期スタチン投与と術後の心血管イベントとの関連を評価する研究を行った。PCIを受けた記録のある患者のうちスタチン処方歴のある患者を解析対象とし、術前7日以内のスタチン投与患者での術後の虚血性心疾患(IHD)等の発症率をスタチン非投与群と比較した。傾向スコアマッチング(PSM)あるいは逆確率重みづけ(IPW)の2通りの手法を用いて2群間の患者背景を調整した後に心血管イベントの発症率を比較した。その結果、狭心症患者では術後181日以内のIHD発症と術後30日以内の心房細動発症に関して投与群で有意なリスクの低下がみられた。また、心筋梗塞患者では、術後181日以内の死亡率に関してスタチン投与群において有意な低下がみられた。以上の結果から、PCI施行前のスタチン投与は術後の予後向上に有益であると考えられた。 以上の結果から、研究成果から、NDBを用いる薬剤疫学研究によって、周術期における薬物療法の有用性の評価が可能であることが示された。
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Research Products
(3 results)