2020 Fiscal Year Research-status Report
薬物相互作用のモデル解析のためのin vivo酵素阻害パラメータ推定方法の確立
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18K06799
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
伊藤 清美 武蔵野大学, 薬学部, 教授 (60232435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 敏之 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (10584815)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 薬物相互作用 / 生理学的薬物速度論モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
抗マラリア薬プログアニルは、主にCYP2C19によって活性代謝物であるシクログアニルに代謝される。当研究室での臨床試験の結果、ボノプラザン併用時に、プログアニルおよびシクログアニルの血中濃度時間曲線下面積はそれぞれ1.42倍と0.728倍に変化した。本研究では、生理学的薬物速度論 (PBPK) モデル解析を行い、この相互作用がボノプラザンによるプログアニル代謝の阻害によって定量的に説明できるか否かの評価を行った。 構築したPBPKモデルにボノプラザンおよびプログアニルそれぞれ単独投与時の血中濃度推移を当てはめ、薬物動態パラメータを推定した後、in vitro試験で得られたボノプラザンの代謝阻害パラメータを組み込むことにより、ボノプラザン併用時のプログアニルおよびシクログアニルの濃度推移をシミュレートした。解析には薬物動態解析プログラムNapp (Ver.2.31) および薬物相互作用シミュレーションソフトDDI Simulator (Ver. 2.6) を使用した。 PBPKモデル解析の結果、ボノプラザンおよびプログアニル単独投与時の濃度推移は概ね再現できた。一方、ボノプラザンとプログアニルの間の相互作用は過小評価となり、臨床での相互作用を再現するには酵素と阻害薬 (ボノプラザン) のみかけの解離定数をin vitro試験で得られた値の約20分の1に設定する必要があった。上記の相互作用にボノプラザン代謝物、あるいは代謝阻害以外の機序が関与している可能性も含め、今後総合的に評価していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴う大学キャンパスへの入構制限等の影響で、予定通りに研究を進めることが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
ボノプラザンとプログアニルとの薬物相互作用にボノプラザンの代謝物による代謝阻害あるいは代謝阻害以外の機序が関与している可能性について検討するとともに、他の相互作用についても検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴う大学キャンパスへの入構制限等の影響で、予定通りに研究を進めることができなかったたため、未使用額が生じた。次年度も引き続き、主にin vitro薬物代謝試験に使用する予定である。
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