2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel prediction method for oral absorption of drugs from lipid based formulation
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18K06808
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
田中 佑典 広島国際大学, 薬学部, 助教 (10435068)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脂質分散製剤 / 消化管吸収 / 過飽和溶解 / 脂質消化 / BCS |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では脂質分散製剤(LBF)における薬物吸収性予測法の構築を最終的な目的として、LBFからの薬物吸収機構の解明を試みた。 まず、長鎖脂肪酸で構成される油脂(LCT)を含むLBF(Type II-LC)および中鎖脂肪酸で構成される油脂(MCT)を含むLBF(Type IIIA-MC、Type IIIB-MC)を調製した。そして、これらのLBFにリトナビル(RTV)をそれぞれの溶解度の85%の濃度で溶解させた。次に、RTVを含む各LBFを人工腸液に添加しin vitro消化試験を行った。その結果、Type IIIB-MCでは、LBFの消化によりRTVの析出が確認された。これは、Type IIIB-MCの消化により、その薬物可溶化能が低下したためと考えられた。一方、Type II-LCおよびType IIIA-MCでは、消化試験1時間後においてもRTVは析出せず、溶解状態が保たれていた。しかしながら、Type II-LCの消化はType IIIA-MCやType IIIB-MCと比べて顕著に遅く、RTVはその大部分が残存した油脂中に分布していた。 各製剤をラットに経口投与した場合、Type IIIA-MCでは、RTV懸濁液と比較して顕著に吸収性が増大した。一方、Type II-LCでは、消化試験においてRTVの溶解が維持されていたにもかかわらず、RTVの吸収性は改善されなかった。これは、RTVが油脂中に分布していたため、見かけの小腸膜透過性が低下したためと考えられた。また、Type IIIB-MCでは、分散/消化試験においてRTVが析出していたのも関わらず、顕著な吸収改善が認められた。析出物について粉末X線回折測定を行ったところ、RTVは非晶質として析出していた。従って、Type IIIB-MCにおける吸収性の改善は析出物の再溶解速度の上昇が大きく寄与しているものと考えられた。
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