2019 Fiscal Year Research-status Report
開口分泌小胞形成過程における脂質二重膜の生理機能とその破綻による病態の解明
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18K06815
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田中 俊昭 山形大学, 医学部, 助教 (70536987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / 開口分泌 / Sec6 / プロテインフォスファターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ジアシルグリセロールキナーゼアイソザイムの分子多様性の解明および細胞内における機能解析を進めて行くに伴い、開口分泌複合体の構成要素であるSec6が、様々な分子に対して、プロテインホスフォターゼの1つであるPP2Aによる脱リン酸化をコントロールしていることが明らかとなった。 PP2はサブユニットA, B, Cがあり、それぞれがタンパク間結合することによって、ターゲット分子の脱リン酸化を行う。Sec6は、サブユニットA,B,C間のタンパク結合を調節することにより、細胞内における様々な分子のリン酸化と脱リン酸化を調節し、その結果として細胞内シグナル伝達を調節していることが明らかとなった。このことはジアシルグリセロールキナーゼによるリン酸化を受けた分子が、脱リン酸化される際に影響を与えることを示唆するものである。 開口分泌における分泌小胞が、細胞内において形成される過程や形質膜へ輸送され、形質膜と癒合する過程においても、様々な分子がリン酸化されることが必要とされることが明らかになりつつある。このことから、開口分泌複合体構成分子Sec6の新たな機能が分泌小胞の形成・輸送メカニズムの解明へとつながることが期待できる。 また、分泌小胞膜中の膜中に存在するジアシルグリセロールキナーゼが、分泌小胞が開口分泌され、ターゲット細胞に取り込まれる際に、どのような分子をリン酸化し、そこにSec6がどのように機能しているのかを現在、研究中であり、解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
形質膜と分泌小胞中のジアシルグリセロールキナーゼと開口分泌小胞体の相互の関係性を研究していく中で、開口分泌複合体Sec6がプロテインホスフォターゼPP2の機能を調節するという知見は、予期してはいなかった。 しかし開口分泌小胞の形成過程における脂質二重膜中のジアシルグリセロールキナーゼによるリン酸化は、大変重要な要素であることを考えると、異なる角度から研究課題にアプローチ出来ていると考えられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、開口分泌小胞中のジアシルグリセロールキナーゼ、PP2およびSec6に着目し、分泌小胞が細胞内で形成・輸送される過程と分泌後に細胞に取り込まれる際の機能を研究していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めて行くにあたって、様々な解析を行う上で、必要な経費が次年度において大きくなると考えられたため
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] DzMab-1: Anti-Human Diacylglycerol Kinaseζ Monoclonal Antibody for Immunocytochemistry.2019
Author(s)
Nakano T, Ogasawara S, Tanaka T, Hozumi Y, Sano M, Sayama Y, Yamada S, Shirai Y, Kaneko MK, Kato Y, Goto K
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Journal Title
Monoclonal antibodies in immunodiagnosis and immunotherapy
Volume: 38
Pages: 179-182
DOI
Peer Reviewed
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