2020 Fiscal Year Research-status Report
開口分泌小胞形成過程における脂質二重膜の生理機能とその破綻による病態の解明
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18K06815
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田中 俊昭 山形大学, 医学部, 助教 (70536987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 開口分泌小胞 / Sec6 / 脂質二重膜 / プロテインフォスファターゼ / PP2A |
Outline of Annual Research Achievements |
開口分泌小胞を形成する脂質二重膜の構造を解析する中で、脂質二重膜を構成する分子の1つとしてジアシルグリセロールキナーゼの様々なアイソザイムが重要な働きをしていることを見出した。また、分泌小胞を細胞内から形質膜へリクルートする働きをもつ開口分泌複合体の構成分子の1つであるSec6が、癌化や炎症反応といった病的状況下において過剰な働きをしていることが明らかとなりつつある。 また、これまでの実験結果から、Sec6はプロテインホスファターゼの1つであるPP2Aがターゲット分子との結合において、プラットフォーム、またはスキャホールド的な働きがあることを見出した。このことは、Sec6が細胞内における様々な分子の機能において、on/offに関わるリン酸化と脱リン酸化を調節することを示唆するものである。さらに開口分泌小胞の脂質二重膜における膜タンパクのリン酸化を調節することを意味し、分泌小胞が細胞内において形成される過程や、分泌小胞が形質膜へリクルートされ癒合する過程において、PP2Aを介した制御を受けていることが示唆された。 癌化や炎症において、PP2Aの機能は破綻し細胞内における正常な脱リン酸化が機能不全に陥ることから、開口分泌の正常な放出も病的状況下においては、機能不全に陥っている可能性が示唆された。 現在、開口分泌小胞の脂質二重膜における膜タンパクのリン酸化・脱リン酸化状態を精査し、病的状態における開口分泌小胞の膜構造の変化に注目して研究を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開口分泌小胞を形質膜にリクルートする機能を持つSec6が、プロテインホスファターゼの1つであるPP2Aがターゲット分子との結合において、プラットフォーム的な働きがあることを見出した。これによって開口分泌小胞の脂質二重膜における膜タンパクのリン酸化・脱リン酸化を介した開口分泌小胞の形成過程や輸送のメカニズムについて、研究を進めている。 一方で、正常状態と病的状態における開口分泌小胞の脂質二重膜の構造について、詳細な解析の必要性が生じたことにより、研究の一部において滞ってしまったが、研究全般としてはおおむね進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、正常状態と病的状態(癌化・炎症)における開口分泌小胞の脂質二重膜における膜タンパクのリン酸化・脱リン酸化を比較検討を加え、膜構造の変化について詳細な解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく過程において、様々な解析を行う必要性が出てきたために、必要な経費が次年度において、かなり多くなると見込まれたため
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Research Products
(3 results)