2023 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the anchoring disruptor or modulator of subunits of the exocyst provides a new therapeutic strategy for various diseases.
Project/Area Number |
18K06815
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田中 俊昭 山形大学, 医学部, 客員研究員 (70536987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Sec6 / 開口分泌小胞 / ジアシルグリセロールキナーゼ / PP2A / 脱リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
開口分泌小胞を形成する脂質二重膜の構造を解析する中で、脂質二重膜を構成する分子の1つとしてジアシルグリセロールキナーゼの様々なアイソザイムが重要な働きをしていることを見出し、細胞内の様々な生命現象のシグナル伝達に関与していることを検証してきた。また、分泌小胞を細胞内から形質膜へリクルートする働きをもつ開口分泌複合体の構成分子の1つであるSec6が、癌化や炎症反応といった病的状況下において過剰発現または機能亢進していることを見出した。 特にSec6は、プロテインホスファターゼのホスファターゼの1つであるPP2Aがターゲット分子との結合において、プラットフォーム、またはスキャホールド的な働きがあることを見出した。このことは、Sec6が細胞内における様々な分子の機能において、on/offに関わるリン酸化と脱リン酸化を調節することを示唆するものである。このことは、開口分泌小胞の脂質二重膜における膜タンパクのリン酸化を調節することを意味し、分泌小胞が細胞内において形成される過程や、分泌小胞が内包するタンパク質やRNAへの影響が出ることによって、分泌小胞を介した細胞間伝達へも影響を与えることが示唆された。 癌化や炎症において、PP2Aの機能は破綻し細胞内における正常な脱リン酸化が機能不全に陥ることから、開口分泌の正常な放出や細胞間コミュニケーションについても病的状況下においては、機能不全に陥っている可能性が示唆された。 現在、開口分泌小胞の脂質二重膜における膜タンパクのリン酸化・脱リン酸化状態を精査し、病的状態における開口分泌小胞の膜構造の変化や内包するタンパク質やRNAへの影響に注目して研究を進めている
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