2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of local protein synthesis in growth cones in relation to dynamics of cytoskeleton
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18K06818
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
星 治 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10303124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 延之 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (70221372)
長 雄一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90334432) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 成長円錐 / 局所的蛋白合成 / 細胞骨格 / アクチンフィラメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、成長円錐における局所的蛋白合成と細胞骨格の相互作用を目的に、ラット脊髄後根神経節細胞の初代培養細胞に対し、脳由来神経栄養因子(BDNF)と神経栄養因子(NGF)による刺激を加え、局所的蛋白合成を亢進させ、それによりアクチンフィラメントとリボゾームタンパクS6の局在がどのように変化するかを解析した。 成長円錐のperipheral domainにおいて、抗ribosomal protein S6抗体の陽性部位とファロイジン陽性部位の共局在率について解析したところ、コントロール標本では平均71%であった。BDNFとNGFの刺激を与えた標本では、その共局在率は平均51%に低下し、t検定でも有意差(p<0.05)があり、さらにファロイジン陽性部位より離れた部位で、抗ribosomal protein S6抗体の陽性部位が集簇している様子が確認された。抗ribosomal protein リン酸化S6抗体と抗ribosomal protein P0/1/2でも同様に解析したところ、同じ傾向が認められた。これにより、BDNFとNGFの刺激により成長円錐において局所的な蛋白合成を促すことで、アクチン近傍に存在していたリボソームがポリソームとなり、アクチンフィラメントから離れていく現象が起きていることが示唆された。以上より、成長円錐における局所的な蛋白合成に伴うアクチンフィラメントの役割を明らかにする上で、有用な知見を得ることができた。今後、他のリボソーム蛋白についても検討することで、成長円錐における局所的な蛋白合成に伴うリボゾームとアクチンフィラメントとの関係がさらに明らかになっていくことが期待される。
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