2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mechanism of contractile ring formation by single molecule fluorescence polarization imaging
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18K06819
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 啓介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60644044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 純雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00262022)
川岸 将彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60323606)
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60374659)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アクチン / 蛍光偏光 |
Outline of Annual Research Achievements |
①II型ミオシンに対するPOLArISプローブの作製:すでにPOLArISプローブを作製済みであるアクチンと同時にII型ミオシンを蛍光偏光観察するため、II型ミオシンに対するPOLArISプローブの作製を試みた。人工結合タンパク質として、アクチンのPOLArISプローブで使っていたものとは異なる抗体様分子をプラットフォームとし、スクリーニングを行った。その結果、アンサンブルで非常に高い蛍光異方性を持つ、性能の良い蛍光偏光プローブを作製することができた。1分子レベルの蛍光異方性に関しては、未検討であるため、2年目に検討する。 ②BioID:従来のBioID法は長時間のビオチンラベリングが必要で、もともと予定していた実験では質量分析によるタンパク質の同定に必要なラベリング量を達成するのが難しかった。年度の途中で、ラベリングの時間を劇的に短縮できるBioIDの改良法が発表され、これを用いることで必要なラベリング量を達成できると期待された。現在、この改良版コンストラクトを用いて、ラベリング条件の検討を行っている。 ③分裂酵母でのアクチンPOLArISプローブ発現の検討:分裂酵母S.pombeにおいて発現の検討を行った。CMVプロモーターを用いた過剰発現では生育阻害が起きてしまい、発現株を得ることができなかった。一方、チアミンを用いて発現量をコントロールできるnmt1プロモーターを用いることで、細胞の生育とアクチン動態に影響を与えない適切な発現量を見出すことができた。この発現コンストラクトを安定発現するS.pombe細胞株を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
II型ミオシンに対するPOLArISプローブ作製は、2年間で行う予定だったが、1年目でこれをほぼ達成した。BioID法では、当初使う予定だったものと違うコンストラクトを用いることになったので、予定よりスタートが遅れたが、コンストラクトの性能が向上した分、条件検討にかかる時間は減少すると期待され、予定の2年目までに成果を出すことは十分可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度においては、作製したミオシンのPOLArISプローブの1分子レベルでの性能評価を行う。性能が不十分であれば、改良を行う。十分な性能のものができたら、従前の予定に従い、アクチンとII型ミオシンの同時蛍光偏光観察を分裂酵母と哺乳類細胞の両方で進める。このために、両者のPOLArISプローブを安定発現する細胞株を作製する。作製した細胞株を用いて、一分子蛍光偏光観測により、収縮環の形成過程を解析する。また、BioIDの改良型コンストラクトを用いた条件検討についても継続して進め、最適な条件が見つかったら、質量分析により関連タンパク質の同定を進める。
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Causes of Carryover |
出張先が同一である他の研究費により旅費を賄うことができ、旅費として計上していた分を使う必要がなくなったため、その分はそのまま次年度使用額となった。この分は、2019年度および2020年度の旅費として使用することを計画している。
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