2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K06820
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| Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
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Principal Investigator |
柴田 俊一 北海道医療大学, 歯学部, 客員教授 (80187400)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船戸 紀子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 准教授 (10376767)
依田 浩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213)
藤川 芳織 昭和大学, 歯学部, 助教 (60805943)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 下顎頭軟骨 / プロテオグリカン / syndecan / fibromodulin |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は前年度に引き続き初期下顎頭軟骨形成を制御する候補分子の網羅的検索からSox9発現前のE13.0で強く発現していた遺伝子、あるいは発現後のE14.0で強く発現していた遺伝子の検索を継続した。候補遺伝子のうち特に成長因子に関係するものは発現の絶対量がそれほど高くないためなかなか検索が難しく、主に発現量が比較的多い細胞外基質成分に焦点を当てて検索を行った。また、候補分子のリストには入っていなかったが、以前より頭頚部の骨格形成に関与する分子として知られていた、Hand-1, -2の遺伝子発現も検索対象とした。ロイシン含有小型プロテオグリカン (SLRPs) の下顎頭軟骨形成過程における発現に関して、前年度に報告した decorin, biglycan に引き続き、SLRPsのメンバーであるfibromodulin, lumican遺伝子の発現に関して検索した。
その結果、fibromodulin は軟骨形成以前の間葉凝集にも弱い発現が認められたが、強い発現は下顎骨に付着する咬筋、外側翼突筋の筋周膜に認められた。lumicanに関しては感度の問題からか観察対象領域で有意な発現は認められなかった。Hand-1, -2 に関してはHand-1遺伝子が形成された下顎頭軟骨全体に弱く発現が認められたが、まだ確定した結果は得られていない。
また以前に下顎頭軟骨形成過程において報告したヘパラン硫酸プロテオグリカンである syndecan family の歯胚形成過程の発現に関し海外の研究者と意見交換を行った後、データを収集して論文として発表した。
さらにこれまでの下顎頭軟骨に関する研究の一部をまとめた総説論文を当該基金を用いて発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度同様「初期下顎頭軟骨形成を制御する因子」の検索が本研究の目的で網羅的遺伝子検査検索によりいくつかの候補遺伝子を同定したが、関連する分子のうち細胞成長因子などの in situ hybridization の結果があまり良好ではなかった。しかしこれまで行ってきたsyndecan familyに関する知識、技術にを応用し国際共著論文を発表したことと、下顎頭軟骨に関する総説を発表したので研究は多少なりとも進捗したと言える。
ただし、Covid-19蔓延によって教育業務等の膨大な雑務が生じたため、上記以外の遺伝子の解析はあまり進捗しなかった。
また9月末において研究代表者が研究拠点を変更することになったが、これに関してもCovid-19の影響で新しい研究環境のセットアップが大幅に遅れることになり、研究課題の進捗に大いなる支障をきたした。以上のことからさらに期間を繰り越して研究を継続することとした。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、リアルタイムPCRの結果から絞られた候補分子、特に成長因子とそのレセプターについて in situ hybridizationの感度をあげて形態学的解析を行う。その場合形成過程における各遺伝子発現の三次元的な発現パターンが重要であるとの見解を得たことから、三次元解析ソフトをバージョンアップして解析を行うこととした。
検出感度が十分でなく標的分子に関して良好な結果が得られない場合はすでにある程度解析がされているHand-1, 2に加え、BMPなどの成長因子の三次元的発現パターンの解析を計画している。
さらに下顎頭軟骨の器官培養系を利用しての候補遺伝子の機能解析も計画しており、すでにE12.0のマウス下顎を用いた実験系を確立している。
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| Causes of Carryover |
Covid-19の影響で教育業務等の膨大な雑務が生じ、研究環境がかなり毀損された。また9月末において研究代表者が研究拠点を変更することになったが、これに関してもCovid-19の影響で新しい研究環境のセットアップが大幅に遅れた。以上のことから十分な物品購入が行えず、次年度使用額が生じた。次年度は候補遺伝子の更なる解析のほかサンプル採取時期を変更した再度のマイクロアレイ解析、発現遺伝子の三次元的発現パターンの解析に加え、器官培養系の検索も計画している。
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