Outline of Annual Research Achievements |
APC1638Tマウスの体重は有意に少なく,小腸の長さ(十二指腸~回腸)は有意に短く,空腸の陰窩-絨毛長が有意に伸長していた。APC1638Tマウスの食物摂取量と体重増加率は,WTマウスと比べて差がなかった。APC1638Tマウスの血中アミラーゼ,リパーゼ,グルコース,総コレステロール値はWTマウスと比べて有意差を認めなかった。APC1638Tマウスの腸幹細胞系であるLgr5陽性幹細胞,Bmi1陽性幹細胞,CD133/prom1陽性前駆細胞の数はWTマウスと比べて有意差がなかった。APC1638Tマウスの空腸におけるKi-67陽性細胞の数は,WTマウスと比べて有意差がなかった。さらに,APC1638Tマウス空腸ではWnt/β-cateninシグナル,BMPシグナル,MAPKシグナル,hippo-YAP-TAZシグナル,Notchシグナル,Hedgehog シグナルの変化は認められなかった。APC1638Tマウス空腸では,WTマウスと比べて,絨毛M細胞の数は有意に多かった。Gp2とSpibのmRNA発現レベルは有意に高かったが,Marcksl1のmRNA発現レベルはWTマウスと比べて差がなかった。WTマウスとAPC1638Tマウスの回腸に絨毛M細胞は存在しなかったが,パイエル板M細胞が観察された。APC1638Tマウス回腸のパイエル板M細胞はWTマウスと比べて,有意に少なかった。APC1638Tマウス空腸では,絨毛先端のCleaved caspase-3陽性細胞はWTマウスと比べて有意に多いが,Bcl2とBaxのmRNA発現レベルに有意差はなかった。APC1638Tマウス空腸では,E-cadherinの発現と局在はWTマウスと比べて差はなかったが,絨毛先端の脱落しかかっているアポトーシス細胞の側面のE-cadherinの染色性はWTマウスと比べて強かった。
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