2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of organelle positioning and flagellar formation regulated by cell adhesion molecule
Project/Area Number |
18K06834
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
若山 友彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70305100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学系, 教授 (20155237)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精子形成 / 細胞接着分子 / 免疫沈降 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞接着分子Cell adhesion molecule-1(CADM1)は、造精細胞の中間型精祖細胞からパキテン期早期の精母細胞とステップ7以降の精子細胞に発現し、セルトリ細胞に発現するPoliovirus receptor (PVR)と結合する。特に、CADM1は、ステップ7以上の精子細胞、つまり、伸長精子細胞で、尾側の細胞膜に発現する。CADM1の遺伝子欠損マウスが、伸長精子細胞の尾側の形態異常と細胞小器官の配置異常を示すことから、その分子機構を明らかにするためにCADM1と相互作用する分子を同定し、機能解析の研究を行った。 CADM1、BSPRY、MPP6、Iba-1、SEPTEX-1の抗体による免疫沈降を複数回行い、その免疫沈降物を質量分析して相互作用する可能性のある80種類の分子を同定した。これらの分子に対して、VIPアッセイによりCADM1と直接作用がある分子は13種類だけで、さらに、CADM1の遺伝子欠損マウスで発現が変化する分子として、昨年度の成果を含めて、APP、Atp5o、Cbr1、Ifnar2、Mrap、Pigp、Tex22の7個の分子を選別できた。次に、これらについて、BSPRY、MPP6、Iba-1、SEPTEX-1との相互作用を検討した。その結果、MrapとTex22のみ相互作用が見られた。SEPTEX-1とはどれも相互作用が見られなかった。しかし、MrapとTex22のノックアウトマウスは不妊を示さないことが既に報告されている。これらの結果から、細胞接着分子CADM1が存在することにより、相互作用する分子群が適切な局在を示すことが可能になり、ミトコンドリアの再配置や鞭毛形成が進行することが示唆された。また、代償機構が存在しており、相互作用する分子が欠損しても他の分子が代償することが示唆された。
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Research Products
(1 results)